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第八話 ページ9

「…百鬼丸」

川の先を見据えながら、百鬼丸が腰の刀に手をかけた。

それを自分達への挑戦と考えたのか、またも同じ男が声を上げた。

男「なんだぁ兄ちゃん、やるってのか!?」

その下で、百鬼丸の視線を捉えた子供が言った。

どろろ「…違ぇ…兄ちゃん達が見てんのは、多分、後ろ…」

男「後ろぉ?…なんだよ、ゴミが流れてきただけじゃねぇか」

ガシャッ

百鬼丸が片腕の義手を抜く。

その中から、腕に差し込まれた剣が現れた。

途端、ゴミは手の様なものを伸ばし、大柄な男を掴んだ。

親方ぁ、と、側にいた別の男が声を上げる。

掴まれた男は、そのまま飲み込まれてしまった。

「出た…鬼神…」

続いて、子分であろう男二人にも手が伸び、あっという間に鬼神の餌食になった。

どろろ「食われ…ちまった…」

目の前で起きたことが理解できない子供に、鬼神の手が伸びた。

どろろ「うわっ!」

子供が鬼神に掴まれる。

橋から飛び降りた百鬼丸が鬼神の腕を切り、落ちる子供を背中で川岸に跳ね飛ばす。

その子供を、一足先に川岸に回っていたAが受け止めた。

どろろ「すげぇ…あの兄ちゃん、化け物見てねぇ!」

百鬼丸が鬼神と戦う姿に、子供が感嘆の声を上げた。

「ここは危ない、早く上に行って」

どろろ「姉ちゃんは?姉ちゃんは、逃げねぇのかよ」

「私はいい。とにかく、早く」

子供を川岸の上へ促すと、Aは途中鬼神の伸びてくる手を避けながら百鬼丸の義手を拾った。

ガラガラガラガラッ

橋と共に、鬼神も崩れていく。

Aの右目は、もう赤黒い影を捉えていなかった。

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輪廻 - めっちゃ面白いです!(^ ^) 続きを楽しみにしてます! これからも頑張ってください! (2019年7月11日 12時) (レス) id: bf927136c6 (このIDを非表示/違反報告)
- 何が総合2位wwオリフラ立てたからじゃん (2019年6月27日 20時) (レス) id: 50d994e323 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。外されないなら違反報告します (2019年6月27日 18時) (レス) id: c56aad1eeb (このIDを非表示/違反報告)
姫鬼(プロフ) - siriusuさん» ありがとうございます、励みになります!! (2019年4月15日 19時) (レス) id: 72603904b9 (このIDを非表示/違反報告)
siriusu(プロフ) - とても面白いです!続き凄く気になります!更新頑張って下さい!q(^-^q) (2019年4月3日 16時) (レス) id: ee4308919b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:姫鬼 | 作成日時:2019年2月17日 11時

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