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第十六話 ページ20

百鬼丸は村人達に取り押さえられ、Aも腕を掴まれた。

どろろ「このっ、離せ!」

村人に持上げられたどろろがじたばたと暴れる。

男「牢に連れていけ!」

万代「お待ち」

男を万代が止めた。

万代「女の方はここに残しておきなさい」

どろろと百鬼丸は連れていかれ、Aは柱に縛り付けられた。

万代「二人だけにしてもらえませんか」

男「承知しました」

パタン、と襖が閉められる。

「…なぜ私を残した」

万代「わかっているだろう?自分の立場を」

「ならばお前も分かっているはずだが?こんな縄ごとき、私には何の意味もない」

腕に力を込めると、縄はブチッと音を立てて千切れた。

Aは立ち上がり、万代を睨み付けて身構えた。

万代「ほう…私を殺ると?しかしその姿になれば、あやつはお前をも殺すぞ」

「そのつもりで共にいる」

Aの頭に巻いていた布がパタリと落ちた。

バンッ

「っ!?」

勢いよく襖が破られると、そこには百鬼丸が立っていた。

その後ろにはどろろと、見たことのないお坊さんもいる。

万代「ああ、また私を切りにいらしたのですか。このような病人を一体なぜ?」

琵琶坊「無駄だよ。あたしらにはお前さんの中身しか見えていない」

(中身…?まさか、あの坊さんも…)

百鬼丸、琵琶坊、そしてAが見ている万代は赤黒い血のような色だった。

万代「さっき食い損ねたのは惜しかった…」

そう言うと、万代は細い布に包まれた。

そして、寝床にかかっている簾の奥で二つの目が光る。

百鬼丸が両手の義手を抜いたとき、鬼神が正体を現した。

一声鳴けば、たちまち風が巻き起こり、百鬼丸たちの皮膚を裂いていく。

「っ…」

Aも腕を顔の前で交差させ防ごうとするが、あまりの勢いに押されてしまう。

ピシッ

飛んできた襖の破片で腕を切った。

傷口からは、紫色の液体が滲み出た。

「…チッ」

軽く舌打ちをし、百鬼丸に続いて鬼神に攻撃をしかける。

ダンッ

「がっ」

鬼神の尻尾ではね飛ばされ、柱に背中をぶつける。

どろろ「A!」

立ち上がろうとすると、鬼神の髪のようなものが伸び、百鬼丸に突き刺さった。

「百鬼丸!」

それでも百鬼丸は、全く表情を変えず、鬼神の目を切りつけた。

すると、百鬼丸の上から布が被せられる。

犯人は村人の男だった。

男「万代様、お逃げ下さい!」

男の言葉通り、万代が化けた鬼神は屋敷を飛び出し、壁を越えて外の竹林へ逃げていった。

どろろ「おい、なんで逃がすんだよ!」

「…そういうことか」

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輪廻 - めっちゃ面白いです!(^ ^) 続きを楽しみにしてます! これからも頑張ってください! (2019年7月11日 12時) (レス) id: bf927136c6 (このIDを非表示/違反報告)
- 何が総合2位wwオリフラ立てたからじゃん (2019年6月27日 20時) (レス) id: 50d994e323 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。外されないなら違反報告します (2019年6月27日 18時) (レス) id: c56aad1eeb (このIDを非表示/違反報告)
姫鬼(プロフ) - siriusuさん» ありがとうございます、励みになります!! (2019年4月15日 19時) (レス) id: 72603904b9 (このIDを非表示/違反報告)
siriusu(プロフ) - とても面白いです!続き凄く気になります!更新頑張って下さい!q(^-^q) (2019年4月3日 16時) (レス) id: ee4308919b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:姫鬼 | 作成日時:2019年2月17日 11時

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