侍系女子と王子系男子【歌い手】

侍系女子 18 ページ19

prince shima side



『えっと…最後はCMの撮影です』


し「はいよー」



なんやかんやあったモデルの撮影も終わり、だんだんとマネージャーの仕事が板についてきた華澄。


車に乗りながらつい、さっきのことを思い出してしまう。

…普段無表情なあいつがあんな表情をしたことにゾクゾクした。

本人は睨んでいるつもりなのかもしれないが、真っ赤な顔に潤んだ瞳で見つめられたら…どんな男でも赤面するやろっ！！！



『…志麻さん？顔赤くないですか？』


し「…っうるせ！なんでもねーよ」



撮影場所は大きめのスタジオ。
今回は大手女性用の香水メーカーの会社だ。

女性役の人を抱いて「いい匂い…」みたいな感じで呟く。そんで香水手に持ってスマイル！みたいなCM。
なんか変態っぽいが「志麻くんはイケメンだから大丈夫☆」ってスタッフさんが言ってたっけ。



スタッフ「あ、志麻くん！今日はよろしく！ごめんね、相手役の女の子が遅れてるみたいで…ちょっと待ってて！」


し「分かりました！今日はよろしくお願いします！」



営業スマイルをかます。やっぱ俺演技力高いな←



し「ったくこっちは忙しいってのに…この俺を待たせるなんて許さねぇ」


『…二重人格ですか』


し「その方がいろいろ楽なんだよ」



その時「キララさん到着しました！」と声がかかった。



キ「あのぉ…ぁたし夢原キララでぇす♡昔から志麻くんのファンでぇ♡」



うわ…
きっついタイプや…

俺はこういうぶりっ子で媚び売ってくる女が一番嫌いなんや。



し「あー…ありがとう！今日はよろしくー」



…俺これからこの女を抱いて耳元で「いい匂い…」って囁くのかぁ…絶対やりたくねぇぇぇ



スタッフ「では撮影始めまーす！」


キ「待ってくださぁい！キララこんなダサい衣装嫌です！もっとかわぃい衣装がいぃなぁ」



突然のキララの爆弾発言にいっきに空気が悪くなる。

衣装を変えたいだぁ！？
今回の香水は大人の女性向けなんだよ！
ふりっふりの可愛い衣装なんてコンセプトに合わねぇだろ！！！



キ「ていうかぁ？キララ急いできたから疲れちゃったぁ…誰か冷たいお茶持ってきてぇ」



さすがにブチ切れる寸前。

もう立場とかどうだっていいからこの女に文句言ってやろうとした時、



『ふざけるな』



先に口を開いたのは華澄だった。

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