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サルスベリの横に、太陽に向いて花開くヒマワリ。
ぴんと背を伸ばして太陽を見る姿が美しい。
どちらの花ももう十分と言うほど撮って、ふと、後ろを振り返る。
縁側にグラス片手に優しく笑う上田さんがいた。
この瞬間に、
ああ。俺はこの人が好きなんだ
と、なんの脈絡もなく、思った。
今、手の上にあるカメラのように、しっくり胸に馴染む。
彼女にカメラを向けると、首を傾けて柔らかく笑った。
庭の飛び石を跳ねるように渡って、彼女に近づく。
汗だくになった俺は、同じく汗だくのグラスからぬるくなった麦茶をもらう。
すかさず、上田さんが魔法瓶の水筒から冷たいお茶を注いでくれた。
すると、突然、上田さんがくすくす笑うので、
「なに？」と聞いた。
『あろまさん。鼻の頭真っ赤ですよ』
そう言って、またくすくす笑いながら部屋を出てまた戻ってくる。
『どうぞ。ひりひりしちゃいそうだから』
と、保冷剤を柔らかな布で包んで俺に渡した。
「そんなにひどい？」
『そりゃあ。私がこんなに笑うくらいには』
でも、
『夢中になって撮ってもらえたので、大事に育てた甲斐がありました』
縁側に並んで座る。
すぐ近くにいる想い人に、汗臭く無いか尋ねる勇気も出ず、
ここまで汗だくなら、もう取り返しもつかないかと諦めた。
『そういえば、あろまさん。お風呂沸かしましたけど、汗で風邪ひくといけないので入りますか？』
魅力的なお誘いを、断る理由もなく。
この夏らしいベタつきから、解放されたい一心で、俺は彼女の提案に頷いた。
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栞(プロフ) - 臓物さん» おはようございます。非常に糧になります。とっても嬉しいコメントありがとうございます。 (2019年4月16日 6時) (
レス) id: 38ec10846d (このIDを非表示/違反報告)
臓物(プロフ) - 更新ありがとうございます。今回も二人の心情にニヤニヤしながら拝見させて頂きました...!!また、栞さんの穏やか、優しい文章楽しみにしてます。 (2019年4月14日 12時) (レス) id: 7a86195c24 (このIDを非表示/違反報告)
栞(プロフ) - あんさん» いつもありがとうございます。コメントいただくとやる気になるのでとても嬉しいです。ゆっくりでお待たせしていますが、末永くお付き合いください。 (2019年3月17日 8時) (レス) id: 38ec10846d (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - こんばんは。作品の雰囲気がとても好きで更新あるたび読みにきています。進展があるたびどきどきしながら次の更新が楽しみになっています。うまく文章にして伝えるのは難しいですが、あなたの作品がとても素敵で大好きです。応援しています。 (2019年3月17日 2時) (レス) id: 258b123392 (このIDを非表示/違反報告)
栞(プロフ) - 有馬さん» ありがとうございます。いつもコメントに元気をもらっています。 (2019年2月8日 20時) (レス) id: 38ec10846d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栞 | 作成日時：2018年6月24日 20時
