9 ページ10
Kei side
ぎこちないながらも始まった俺たちの恋人関係。
仕事の合間を縫っては、こまめに会いに来てくれる彼のおかげもあって、タメ口と"雅紀くん"と名前呼びするのもようやく慣れてきた…今日この頃。
そんな中、久しぶりに2人揃った休日。
俺の家でいわゆる"自宅デート"をしていると、雅紀くんから驚きの提案が。
A「ねえ、今度の火曜って、空いてる？」
「火曜？
うん…、授業は２限までだし、確か来週はバイトもなかったはずだけど…
どうかしたの？」
A「いや、さ。ずっと考えてたんだけど、そのー、慧をね？
…メンバーに紹介、しよっかなぁって。」
「メンバー…って、えぇ！？」
メンバーさんに俺を紹介？いろいろ、飛躍しすぎてない？
突然すぎる提案に、動揺を隠せない俺。
A「実はさー、最近ね？ちょっと色々考えてて。
きっと…この先、何か慧を不安にさせちゃうようなことも、無くしたいけど…無いって言いきれないのが俺の仕事だし。
そもそも、男同士ってのがあるから二重に大変な思いをさせちゃうかもしれないし。
だから…慧の心配事が少しでも軽くなるように、まずはメンバーに紹介しときたいなぁって、思って。
どう、かな？」
「雅紀くん…」
雅紀くんがそんな真剣に考えてるなんて、思ってもみなかった。
確かに…ありえないくらいの幸せな日々を失くしたくなくて、どこか不安だったのは、あったかもしれない。
「っメンバーさんに紹介するの、俺でいいの？
男だし、びっくりさせちゃわない？」
…聞きたいのは、ぶっちゃけこれだけじゃないけど。
いちファンがここまできちゃって、これってどうなの？
男同士は、やっぱりいろいろ雅紀くんに迷惑かけちゃうんじゃ…
そんな風に、ぐるぐると、頭の中に不安が回る。
でも、俺の素敵な恋人は、そんなの飛び越えてくるんだ。
A「うーん…まぁ、翔ちゃんあたりは驚くかもしれないけど…
でも、俺と慧のこと、否定するような人達じゃないってことは確かかな。
まぁ！なんか言われても慧のことは絶対！俺が守るし！
…だから、さ。
火曜日、一緒に行ってくれる？」
「…うん！
よろしく、お願いします。」
…変に考えすぎるのはやめて、雅紀くんに任せちゃうのも、アリなのかな。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおり | 作成日時：2019年2月3日 22時
