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Kei side
「はぁ…。」
T「慧ー？せっかくの鑑賞会なのにまじでどうしちゃったの？」
「いや…ちょっとね…。」
相葉くんの告白から1週間。
次の日からもちゃんとLINEは来るし、俺も返信はしてるけど…
やっぱり何かあれば思い出すのは、あの時の真剣な目と言葉だった。
この1週間は、あれだけ楽しみにしてたコンサート映像も見ても上の空。
裕太に言われてテレビに目を向ければ、キラキラ笑顔で歌う相葉くんが居た。
「住む世界が、違うんだろうな…。」
T「…悩み、相葉さん絡み？」
「ん〜、うん。」
T「事情はあえて聞かないでおくけど…無理はしないでね？」
「うん、分かった…。」
こういうときにグイグイ聞かない裕太がほんとにありがたい。
最近の俺は扱いにくいだろうに…、自分で言うのもなんだけど。
T「まぁ、でも、なんとなくわかるし、慧が考えそうなこともわかるけどね〜。」
「えっ！？何も言ってないのに！？」
…前言撤回。裕太は自分の興味を持つ話はどんどん掘り下げるタイプだった。
T「んふふ〜。
なんなら当ててあげよっか。
そうだね…。
『相葉くんの重荷になったらどうしよう』『相葉くんに迷惑はかけたくない』ってとこ？
どうよ？」
…まじか。
何を悩んでるかも言ってないはずなのに、俺の心境をぴったり当ててくる裕太。
つか、俺、そんなにわかりやすい？
T「お、その顔は当たりかな〜。
慧はそういう相手の事を考えるのは優しいけど、ダメなとこでもあるんだから。
自分の気持ちをもっと出さないと。ね？」
「っ、でも…。」
T「はぁ…、もう！『でも』じゃない！
相葉さんだって、慧自身の気持ちが知りたいんじゃない？
アイドル相葉雅紀じゃなくて、一個人の相葉雅紀は、慧にとって何なのか。」
アイドルじゃなく、相葉くん個人として…。
1週間、いろいろなことが頭をよぎったけど、そういう意味で考えてはいなかったかもしれない。
「…ありがと。なんか、いろいろ見えてきたかも。」
T「ん。、どーいたしまして。
ほら、もっかい見直そ？慧全然見てないんだもん(笑)」
「うん、ごめん(笑)」
裕太、ありがと。
裕太のおかげで、何か見えたかもしれない。
持つべきものは、理解のある幼馴染…ってやつ？
*
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作者名：しおり | 作成日時：2019年2月3日 22時
