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T side
in「えっ、それで終わり?そっからどうなったの?」
「それが、としくんが週一のペースでカフェに通うようになってさぁ…」
取材後、何かと忙しくなったカフェだったが、その客足の途切れる間を縫うようにお忍びでやってきたとしくん。
アイドルの癖して、わりと普通の格好で来てるのに何故かバレないのは不思議だったけど、それが気にならないほど俺に猛アタックしてきたのだ。
『たまちゃんに一目惚れしちゃったの!』とか『たまちゃんは俺の理想だー!』って…もう、毎回のように。
「そんで、俺もとしくんがテレビに出てたら気にするようになって…
俺が舞祭組のCD買い始めた頃…その年の冬の時にちゃんと告られたのかな?
『たまちゃんが高校卒業したら、俺と付き合ってほしい』って。」
in「へぇ…その頃から宮田さんは裕太にゾッコンってわけだ。
ってか、付き合うのは卒業後だったの?」
「うん。としくんなりにちゃんとしたかったんだって。」
としくんはその辺しっかり大人で、ミツとガヤがどんなに茶かそうが、俺が高校を卒業するまで、キスもしてこない徹底ぶりだった。
告白から半月も経てば、こっちもいろいろ自覚するから、キスぐらい…と思ったりしたこともあったけど、まぁ、それもいい思い出だったのかも知れない。
「もちろん、そういう関係にならないだけで、デートっぽいことはしたり、色んなところに連れてってくれたんだけどね。
で、そのあとは俺が大学入学して、やる事やって今に至る…って感じ?」
今思うと、あの3ヶ月は我ながら清い関係だったな…ってなるけど。
in「へぇ〜…、俺、大学生になってからわりと裕太と居るつもりだったけど、そんなん全然気づかなかった…。」
「慧には話そうかなって何回か思ったんだけど…
やっぱ、相手は芸能人だし、ましてや…男だし。
なんか…改めて、今まで黙っててごめんね。」
in「んーん、そりゃ話せないよね。
俺が雅紀くんとのこと話しすぎなだけ(笑)」
「まぁ…確かに慧は俺にめっちゃ相談するよね。
でもさ、今度からは俺もいろいろ聞いてもらっちゃおうかな?」
in「うん、俺らの間柄に遠慮なし!
お互いいっぱい話しちゃえ!(笑)」
幼なじみで、しかも特殊な職業の恋人を持つ同士。
これからは、人に話せないからって、お互い惚気ないようにしなきゃ…ね?(笑)
*
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作者名:しおり | 作成日時:2019年2月3日 22時