32 ページ32
翔「A？
珍しいね、目ェ半分開いてねぇぞ？
大丈夫？帰れる？送る？」
あ、翔が優しい。ふふふ。
「大丈夫大丈夫！意識ははっきりしてるし、電車では寝ないから。
ありがと。」
松「俺途中まで一緒だし大丈夫だろ。」
翔「あ、そうなんですね！じゃあ…お願い、します」
松「ほーい」
そうか、松本さんとはまだ一緒だ…
まだ、一緒にいられる。
お店を出てすぐのこの場所で、
私たちと翔は逆方向。
翔「じゃあ、俺こっちなんで。」
「またね、翔！今日はありがと。寝過ごさないでよ〜！」
翔「お前がな！(笑)
松本さん、こいつ頼みます。ごちそうさまでした！失礼します。」
松「はいはい、頼まれました。じゃぁな〜。」
一人去っていく翔に手を振って、私たちも駅に向かう。
風が心地いい。
横の松本さんを見ると、
…あ、口すぼめてる。
ご機嫌、なんだな。
ふふ。
「松本さんもやっぱり強いですね〜」
松「んー、強いっていうか、酔ってるけど。」
は？！これで？！
松「熱いもん、顔。ぜってー今赤い(笑)」
「え？そうですか？」
松本さんの顔を覗き込む。
普段なら絶対できない。
私やっぱ酔ってるな、これ。
…っていうか暗くてよく見えないけど。
松「ガン見すんなって(笑)
これでも日本酒の間に水めっちゃ飲んでたから、抑えられてる方だよ。
後輩の前でベロベロになれませんよ(笑)」
…さすが。
大人、だぁ…
松「立花もそれで酔ってんの？
櫻井めっちゃ心配してたけど(笑)保護者かよ(笑)」
「普段ホントに、眠くもならないので。
半分目が開いてなかったのも、超珍しいんです、私。
久しぶりに、何となくふわ〜っとしてますもん。
これでも(笑)
心配性すぎるんですよ、翔。いつも(笑)
3人兄弟の一番上だからですかね？ふふふ」
ふわんとした頭で聞く松本さんの声が心地よくて
次、次って自分の口からも言葉が出てきてしまう。
そんな風にフワフワ、ヘラヘラと会話をしてたら
駅に到着。
私たちの使う線はいつもガラガラで
終電と言っても、座るところは残ってる。
いつもの帰り道みたいに、並んで座る。
座ったとたん、一気に睡魔が襲ってきて
電車の、ガタンゴトン、っていうリズムに誘われて
いつの間にか眠ってしまっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1558人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽろ
| 作成日時：2016年5月11日 20時
