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さすがだぁ、って感心してたら
運ばれてきた一杯目のワイン。
松「軽めの白にしといた。
とりあえず、乾杯かな？」
「そうですね。プチ歓迎会ってことで(笑)」
チリン、と品のいい音を奏でてぶつかるグラス。
芳醇なぶどうの良い香り。
でも重くなくて、酸味もきつすぎなくてちょうどいい。
サラダとか、前菜に合わせるのにはピッタリかも…
松「日本酒、好きなんだ。」
「そうなんです。大学生の時に和食屋さんでバイトしてて。
そこで先輩がいろいろ飲ませてくれて。」
松「へぇ〜！じゃあお酒飲み始めたころから好きだったってこと？」
「はい。飲み始めがお店にある良いお酒だったので、
すぐ好きになれました。
でも友達はサークル飲みで安酒飲まされて苦手になった、
って子がたくさんいて(笑)」
松「あぁーーー俺、そのパターン(笑)
好きになったのここ数年だよ。」
へぇ、その銘柄知らない、
どこどこの酒屋さん、種類豊富で楽しいよ、…
って、ワインを目の前にして日本酒の話で盛り上がってしまった。
ヘロヘロになっちゃう！免疫ない！
どうしよう！！！
って慌ててた30分前が嘘みたいに
自然になれてるかも、私。
運ばれてくるお料理に合わせて
グラスが空く度にワインを選んでくれる松本さん。
詳しいんじゃん。ワインも。
「ほんとにお好きなんですね、飲むの。」
松「なんで？」
「え、だって、ワインもすんなり選んじゃうから。」
松「うーん、まぁ確かに、飲みはすげー好き。
学生時代のバイトもバーテンみたいのやってたからさ。
詳しいっちゃ詳しいかも。」
4年の頃には店の酒の発注までやってたよ、なんていうから
楽しくなっちゃってたくさん聞いた。
ワイン、日本酒、焼酎、ビール、カクテル・・・
全部ちゃんと教えてくれるの。
ドイツのあのビールは、夏におすすめだよ、とか
焼酎苦手な子にはどれが飲みやすいよ、とか
先輩っていうか、お兄ちゃんって感じ。
豊富な知識を優しくたくさん話してくれる。
松本さんの声、落ち着く。
低くてちょっと、鼻にかかるようなまろやかな声…
それに、話し始めると止まらなくて
目、キラキラさせながら前のめりで話すの。
…なんかやっぱりこの人、
大人なのに可愛いっていうか、
紳士なのに少年っていうか、
楽しい人。
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作者名：ぽろ
| 作成日時：2016年5月11日 20時
