甘すぎる君の涙に目眩がした【マルコ】 ページ50
エースの公開処刑のニュースが流れてから、Aは毎晩、甲板の隅の方で縮こまって泣いている
悲しいわけではなく、ティーチに対する怒りと恨みからの涙だと言っていたが、決してAの本心がそれだけじゃねぇことを俺は知っていた
「またここかよい、A、いつまでも泣いてんじゃねぇよい」
『だってマルコッ……アタシは何も出来なかった！！サッチの時もエースの時もッ……アタシはいつも守られてるだけッ……それなのにッ……！！』
「……もうやめとけ」
『アタシがサッチに“悪魔の実”を頂戴なんて言わなかったら！！エースにティーチが憎いなんて言わなかったら！！』
「自分だけのせいにするんじゃねぇよい……俺はいつでもお前の傍に居るってのによ」
ちっこい身体ん中に納まりきらねぇ程の罪悪感と自責の念を抱えてひっそり泣いて……そんなAを見ていると、次はこいつが居なくなるじゃねぇかと考えちまう
そんな考えがよぎった瞬間に、俺は自分の腕の中にAを納めていた
「お前がこの船に乗った時、お前が俺の特別になった時、お前の抱えるもの全部、喜びも幸せも悲しみも苦しみも、俺が奪ってやるって言っただろ？」
『……喜びと幸せまで、奪うっての？』
「俺は“海賊”だからな」
そう言って顔を上げさせれば、Aは想像通りに目を真っ赤に腫らしていた
そんな瞳に口付ければ、涙の味が広がった
「チュッ……お前の涙、全然しょっぱくねぇよい」
『何それ……』
「自分で味わってみな」
返事を聞かずにキスをして、舌を絡ませ目元を指でなぞればAは俺の背中に腕を回した
次に目があった時、Aは顔を赤くして照れたように微笑んだ
「お前の涙、しょっぱかったかい？」
『何だか……甘くて暖かかった』
「……やっぱお前、笑ってる方が数倍いい女だよい」
『なら……もう泣かない、後悔もしない』
「そりゃ何よりだ、これからエースの奪還だからな」
『え？』
「このまま指ぃ咥えて見てるのか？黒ひげを追わせたのは“俺ら”だろい？」
『！！……そうよね、しっかり行かせた責任取らなきゃね』
「そう言うこった、行くぞ」
『ぇえ！！』
「……甘くて暖かいねぇ……図星突かれちまったよい」
『マルコ？何か言った？』
「いや、何でもねぇよい」
(お前の瞳にキスした時)
(お前の涙が舌に触れた時)
(俺は確かに甘いと思って)
(軽い目眩を起こしたんだよい)
end.
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しゃらん。(プロフ) - コメントありがとうございます！！短編の方が中々更新できてなくて……でも好きだと言っていただきめちゃくちゃ嬉しいです！！またサッチでも書きますね！！これからもよろしくお願いします！！ (2022年7月3日 8時) (
レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - この短編種本当に好きだけど、サッチが出てくるとは思ってなくて、心の準備してなかったから普通に死にそうっす、更新とサッチの書いてくれてありがとうございます！ (2022年7月3日 4時) (レス) @page40 id: 95a1685357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃらん。 | 作成日時：2022年4月22日 15時
