繋いだ手から見えた先【ページワン】 ページ41
カタッ……
「A、飯」
『毎度毎度飽きもせず……要りぁせんよ』
「もう2週間だぞ」
『もうそんなに経つかい？いつになったら死ねるのかねい……』
「あの人がAを死なせるわけねぇだろ」
『そうだねぇ……いっそ舌でも噛み切ってやろうか』
「失敗しただろ」
『ああ……そうだったねぇ……』
座敷牢に放り込まれて2週間
何をした訳でもなく、いきなり召し上げられ帰る家には火を放たれ、両親は姿を消し妹は鬼ヶ島で給仕を仰せつかった
妹とあっしは互いに人質に取られているような状態で、あっしが折れれば妹は解放すると言われているが、そうしないのはその言葉が誠ではないからだ
『こんな粗悪な町娘を一味に入れて何になる、おんしらの大頭は酔狂だねぇ』
「本当にAがただの町娘ならこんなことになるかよ、悪魔の実を食べたでもないお前の能力はカイドウさんも知ってんだよ」
『クスッ……先の事などわかったところでいい事なんざありゃしないってのに……言ったろ？変えれるものと変えられぬものがあると、おんしらの大頭が知りたい先は変わらぬ必然……あっしが何を出来るかね』
「見えたものを言えばいい、それだけじゃねぇかよ」
『そう簡単に言いなさんな……言えばあっしの妹の先がなくなるんだ、だからあっしは何も言わん』
「はぁ……面倒くせぇな……」
『そりゃあっしの台詞だよ』
何度も自害を試みるも、それは叶わず必ずこの男があっしの先を紡いでしまう
毎日毎食、手を付けぬとわかっているだろうに飯を運び、こうしてあっしと言葉を交わしてはため息をつく
『お前さんにも姉者が居よう、きっと姉者もあっしと同じことをするさ、それ程に下の兄弟というものは尊いのさ……』
「……ならAの妹だって飯を食わずにボロボロになってく姉貴なんて見たくないだろうぜ、俺がそうだからな、いつも運んでる飯、Aの妹が作ってんだぜ」
『やっぱりねぇ……野菜の切り方のくせでわかってたさ……あの子は人参だけは小さく切る、ちょっとでも味が紛れるようにってね……のうページワン、煙草を1本貰えるかい？そうすりゃ汁物くらいは手を付けよう』
「やっぱり姉妹だな、Aの事よく分かってるぜ、ほらよ」
『ふぅ〜……ページワン、大頭に伝えてくれるかい？あっしの妹を狂死郎親分に付けてくれと、片時も離れぬようにと……さすればあっしは先の誠を口にすると……』
トントンッ……
to be continued……
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しゃらん。(プロフ) - コメントありがとうございます！！短編の方が中々更新できてなくて……でも好きだと言っていただきめちゃくちゃ嬉しいです！！またサッチでも書きますね！！これからもよろしくお願いします！！ (2022年7月3日 8時) (
レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - この短編種本当に好きだけど、サッチが出てくるとは思ってなくて、心の準備してなかったから普通に死にそうっす、更新とサッチの書いてくれてありがとうございます！ (2022年7月3日 4時) (レス) @page40 id: 95a1685357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃらん。 | 作成日時：2022年4月22日 15時
