言っときますが、不本意です【サッチ】 ページ38
これは大義名分の下に繰り広げられる戦い、疑うことなき聖戦なのです
戦いということはつまりは勝ち負けがあるわけで、勝者と敗者に二分されるわけで……
この定義が成り立ってしまうとですね、前者を志すのが人の性だと思うのですよ
『だから、これは大義名分なのです』
「何が“大義名分”なんだか」
『今日という日にお菓子を作るということがですよ』
「加えて意中の相手に想いを伝えることが、でしょ？」
『誠に遺憾です、全身全霊をかけ不本意です、何故ならAにはその対象になる相手がいないのです』
「うん、なかなか面倒な子だねい」
『よく言われるです』
天下の白ひげ海賊団、その厨房でうら若き乙女1人と隊長2人、そしてその嫁による試作品試食会は開かれていた
雪が降らないとは言え寒さが響くこの時期に、何故かこの変わり者な自称乙女はエプロンと三角巾を身に付け、普段は立たない厨房に立っていた
『どうせ戦いに出るのなら栄えある勝利を……あ、味見どうぞ』
「次は何だい？」
『生チョコのタルトです、白黒ハッキリつけようという意味を込めてビターとホワイトの二層構造にしてみましたです』
「本当にAは芸が細かいのよねぇ〜！！どれもめちゃくちゃ美味いし綺麗だし！！」
『ノイルさんに言われると自信つくです、でもトリュフはなしですね』
「何でだ？俺は結構気に入ってたんだけどなぁ」
『トリュフは最初にその人に教わったお菓子なので』
「そこまで考えてりゃもう惚れてるじゃねぇかよい」
『……全くもって、不本意です』
そう言ってしかめ面になりながらも、ほんのりと頬を染めるその姿は、正に恋する乙女
それに気づいているのかいないのか、恥じらいを誤魔化すかのようにせっせとお菓子を作り続ける少女を前に、兄心と姉心をくすぐられる3人はため息をついた
「羨ましいおっさんだよい」
「もぉ〜やぁ〜だぁ〜！！Aったら可愛すぎ！！あんなおっさんには勿体ないわ！！ねぇうちのエースにしない？若いよ！？顔も悪くないし食べるの大好きだよ！？」
「やめろよ姉ちゃん！！サッチの小さな春を潰してやるなって！！こんな海の上でバレンタインに本命チョコを貰えるなんて、そうそうありゃしねぇんだしよ！！」
「……でも、Aからだけじゃないですよ」
「ナースさんのこと？だったらノーカンでしょ！！サッチって軽く見えるけどナースさんは相手にしてないし！！」
to be continued……
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しゃらん。(プロフ) - コメントありがとうございます！！短編の方が中々更新できてなくて……でも好きだと言っていただきめちゃくちゃ嬉しいです！！またサッチでも書きますね！！これからもよろしくお願いします！！ (2022年7月3日 8時) (
レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - この短編種本当に好きだけど、サッチが出てくるとは思ってなくて、心の準備してなかったから普通に死にそうっす、更新とサッチの書いてくれてありがとうございます！ (2022年7月3日 4時) (レス) @page40 id: 95a1685357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃらん。 | 作成日時：2022年4月22日 15時
