･ ページ35
『アンタも腕上げてんだろうなー……サンジ』
サンジが海賊船に乗っていったあの日から時間は流れ流れ、やんちゃしてることは風の噂で聞いていた
それにしてもあの手配書……残念にも程があるって
稼働が落ち着いた合間に裏手に出て、タバコに火を付けサンジの手配書を手に取った
『……これじゃ、アタシが物凄いＢ専だと思われるじゃんよー……フゥー』
サンジ、アタシもタバコ吸えるようになったよ
あんたが吸ってる銘柄とは違うけど、コックのくせによくこんなの吸ってるね
でも店の中は吸ってないよ、そこがサンジとアタシ違いかな
『グスッ……アタシ、サンジと違ってタバコの煙に慣れないやー……ケホッ……煙が沁みて、涙が出るッ……』
あんたが残した1箱のタバコ、未だに封を切れないんだ
サンジがくれた、最後のプレゼント……
『女にタバコ渡すとか、ホントあり得ないしー……ねぇ、サンジ……』
あんたが旅する海に、オール・ブルーはあったの？
吹き出すタバコの煙を見送って、瞳を閉じて波音に耳を傾ける
風に一撫でされた後、カルネとパティの叫び声を聞いて、小さく笑って店に戻った
「「大変だぁー！！！A！！！」」
『うっさいよー極道コンビ、お客様の前で何を騒ッ………サン、ジ？』
「ここに美人副料理長が居るって聞いたんだが……Aで間違いないよな？」
『……グスッ……随分とッ……手配書よりも良い男になってんね』
「あんなクソ手配書あてになるかよ」
『クスッ……いらっしゃいませ、麦わら御一行様、バラティエ副料理長“白足のA”が全てのフルコースをご用意させて頂きます』
あぁ神様、今日ばっかりは感謝します
きっと明日にはもう居ないだろうけど、彼に会えて幸せです
(南向きに吹き渡る風が)
(アタシのタバコの煙を乗せて)
(あんたを待つアタシの代わりに)
(あんたの連れて来てくれた)
end.
いつまでも続く恋【マルコ】→←タバコの煙を追う先に【サンジ】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 187人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゃらん。(プロフ) - コメントありがとうございます！！短編の方が中々更新できてなくて……でも好きだと言っていただきめちゃくちゃ嬉しいです！！またサッチでも書きますね！！これからもよろしくお願いします！！ (2022年7月3日 8時) (
レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - この短編種本当に好きだけど、サッチが出てくるとは思ってなくて、心の準備してなかったから普通に死にそうっす、更新とサッチの書いてくれてありがとうございます！ (2022年7月3日 4時) (レス) @page40 id: 95a1685357 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゃらん。 | 作成日時：2022年4月22日 15時
