額は建前、耳にイタズラ、手首の本音【バルトロメオ】 ページ25
アンタは冬が苦手や言うけど、アタシは冬が一等好き
ふわふわの粉雪も、キラキラの霜柱も、口から飛び出る白い息も、全部全部、大好きたい
だって、全部全部、アンタがアタシに初めて見せてくれよったもんばっかやけんな
『わぁー！！雪やぁ！！なぁなぁバルトロメオ！！雪降っとうよ！！大っきな粉雪たい！！』
「いんや、こりゃ粉雪でも牡丹雪になってっぺ」
『牡丹雪？……でも粉雪みたいやけん、何が違うと？』
「粉雪には違ぇねぇ、でもよぉく見てっと粉雪が重なり合って牡丹とか言う花みてぇなんだと」
『やから牡丹雪いうんやね……アタシ、この雪好きたい！！』
「そらぁ良かったっぺ」
特有の牙をギラつかせて不敵に笑うバルトロメオに、自然とアタシの口角も上がってしまう
子どもの頃から見続けてるんに、なしてこげんドキドキしよるんやろ……
「んだ？A、俺の顔に何か付いてんべ？」
『んーん！何でもなか！アタシが知らんことまだまだあるんなぁて！！』
「ヘハハ！！陸に引っ込んでたら知らないままのことばっかだべ！」
『間違いなか！やけん、これからもいろんなもの見たかねぇ』
「安心すっぺ！！俺がAに全部見せてやっからな！！」
そう言って、アタシの髪を乱暴に撫でると決まって必ず、前髪を掻き分け額にキスをする
照れてむくれるアタシを見て、楽しそうに笑うのも昔っからやけど……
いつまでも変わらん心地よさともどかしさが、アタシの中でぐるぐるしよるん、気づいとう？
「おでこまで冷え切ってっぺ」
『でも寒くないと雪は降らんやろ？これくらい何でもなか！』
「調子乗ってと風邪ひくべ、中ぁ入って手袋取ってこい」
『もう！また子ども扱いしよぉね！！』
「ヘハハハハッ！！昔っからAはやることも言うことも変わんねぇべ！！」
『むぅ〜……昔とおんなじや、なかよ？』
「ぁあ？」
『アタシだって、色々変わっとぉし、思っとぉんよ？』
「ほぉ〜？そうは見えねぇんだけどなぁ？」
『ッ……顔、近すぎるけん』
「わざと近づけてるっぺ」
『質の悪かねぇ………でも……』
「ッ！？」
『バルトロメオのそげん所、この雪より、何より大好きたい』
思い切って、耳元で呟いた長年の想い
呟くだけやと伝わらん気がして、ピアスの傍に音を立ててキスをした
アタシからバルトロメオへ送る、初めてのキス……どこまで気持ちが伝わっとるん？
to be continued……
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しゃらん。(プロフ) - コメントありがとうございます！！短編の方が中々更新できてなくて……でも好きだと言っていただきめちゃくちゃ嬉しいです！！またサッチでも書きますね！！これからもよろしくお願いします！！ (2022年7月3日 8時) (
レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - この短編種本当に好きだけど、サッチが出てくるとは思ってなくて、心の準備してなかったから普通に死にそうっす、更新とサッチの書いてくれてありがとうございます！ (2022年7月3日 4時) (レス) @page40 id: 95a1685357 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃらん。 | 作成日時：2022年4月22日 15時
