変わり果てたる我が祖国 ページ41
『……して、何が起こりんした』
「まず初めに、今この国の将軍の座に居るのはスキヤキ様ではない……病に伏せって亡くなられるその前に何故か次の将軍にオロチを推薦されたんだ」
『ッ……何故オロチがッ……』
「実に不可解……だがスキヤキ様ご本人がその口でそう申されたからには覆せぬ……しかもオロチはあの黒炭家の末裔だった」
『……何やら裏のありそうな話でありんすね……しかしそれは今は考えても仕方がなきこと、郷に立つあの工場は何事でありんすか』
「あれは各郷に建てられた“武器工場”……郷の男達は“将軍命令”で暮らして行けぬ程の安い賃金で働かされてる……オロチの後ろ盾に“カイドウ”と言う怪物並みの強さを持つ海賊が居てな……それをいい事にオロチはやりたい放題だ」
その言葉を聞き、不安で早る鼓動は更にその早さを増していく
4年でこれ程までに変わってしまった祖国の姿と内情……しかも絡んでいるのその名を知らぬものはいない海賊“カイドウ”だという……
「そして遊郭“氷花”は……今は将軍お抱えの遊郭となってしまったッ……守りきれずすまなかったAッ……」
『ふぅー……すまないね、煙管をふかすよ……』
シュッ……ふぅ〜……
『……遊女は皆、無事なんだね？権左衛門は？』
「皆、最後の最後まで抵抗していた……だが俺がそれをやめさせた、お前たちの1人でも欠けちまえば、それはもう“氷花”ではなくなるのだと言ってな、みな苦虫潰しながらやってくれてる」
『……それを聞いて安心しんした、命があるならそれでよし、あっしがすぐに立て直そう』
パシッ！
『今は動く時じゃあない、おでん様がお戻りになるその時に備えて罠を張るがいいだろう……それで言うなら“将軍お抱え”は何とも都合のいいことだ』
「策があるのか？」
『オロチも男、惚れさせ転がしてやればいい……明日の朝一番に“花魁道中”で登城しんしょう、病に伏せっていた“月乃兎”が全快したと知らしめんしょう』
「ッ……耐えられるかッ……？」
『造作もない……誠心は既にあいつにやっちまったからね……あっしが好みでないと言うなら好みの遊女を宛てがうさ……ここにはお前さんしか居ないね？』
「……まだ策があるのか」
『……あっしは明日より、オロチのお膝元であると知らしめる……お前さん以外の者にはそれが策である事を黙っておきんす』
「何故そんなッ……！！」
『仮面はね……重ねて被るが花魁でありんす』
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竜胆 - しゃらん。さん» どもー！イゾウ落ちの小説も良いですね！ww 夢主が金平糖好きって…また可愛いww (2023年2月4日 10時) (
レス) id: 32faf97f7c (このIDを非表示/違反報告)
しゃらん。(プロフ) - 西鶴.藍琉@FFX.Loveさん» わぁー！コメありがとうございます✨️あの人が落とされない日が来るのでしょうか( ˙-˙)笑 (2023年2月3日 18時) (レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
西鶴.藍琉@FFX.Love(プロフ) - 藍琉です〜。いやもう月乃兎太夫（主ちゃん）の相変わらずの花詠みの上げて落とすが最高です🤣 (2023年2月1日 13時) (レス) @page11 id: 8974fd4ba8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃらん。 | 作者ホームページ：http://.uranai.riane.jarrck
作成日時：2023年1月28日 15時
