地獄に咲いて魅せんしょう ページ45
『お初にお目にかかりんす、手前、遊郭“氷花”にて花魁を張る“月乃兎”にございんす……此度はあっしの快気祝いの宴の席をと将軍オロチ様に賜り恐悦至極に存じまする……カイドウ様にも末永くご贔屓頂ければこれ幸い……どうか可愛がっておくんなんし』
「ウォロロロ！！噂の花魁がどんなもんかと思っていたが……尾びれ背びれが付いてた訳じゃねぇみてぇだな？お前、酒はいける口か？」
『フフフッ……カイドウ様には敵いませぬが、お気の済むまでご一緒させて頂きんす』
「言うじゃねぇか！！ならとことん付き合って貰おうか！！」
『なんと誉なことでありんしょう……時にカイドウ様？失礼を承知でお願いしたいことがひとつ……』
「ぁあ？何だ言ってみろ」
『ウチの遊女はあっしの宝……あの子らが居てこその“氷花”にございんす、些かお痛の過ぎる旦那にはそれなりのケジメを付けさせて頂いとうございんす……さすればあの子らも心して至極の時間をお約束出来ましょう』
「そんなことか！月乃兎の好きにしろ！下っぱ共なんぞいくらでも替えがきくからな、何なら俺が二度と目に入らねぇようにしてやろうじゃねぇか」
『まぁまぁ何とも頼もしい……あっしの頬が赤く染ってしまいんす、ささおひとつ……』
あれから日が明け今は本に鬼が巣食う鬼ヶ島にて、機嫌よく大酒をかっ食らうこの男……言葉の通りに手を下すだろうが決して転がされるようなタマじゃあない
オロチは既にあっしの手の上に片足を乗せていることだ……あっしが落とすべきはこの男、それが無理ならこの男の率いる海賊団の大看板と呼ばれる者か飛び六胞と呼ばれる者がいいだろう……
此度の宴、本にカイドウの満足行くまで酒に付き合うが足掛かり……ウワバミとも謳われていた父様の血筋を示さねば……
「ウォロロロ！！今日の酒は格別だ！！まさかこの国に俺の酒に付き合える女が居るとは思わなかったからなぁ！！そのうち大看板と飛び六胞にも合わせてやる！！」
『それはそれは……今日は本に誉れ多き日にございんす、なれど……』
スルッ……
『そんな伊達なお人に囲まれては何もせずとも身体が勝手に火照ることにありんしょう……その時にはカイドウ様のお膝元に置いて下さいまし』
「女なんざ鬱陶しいだけだが、お前に言い寄られるのは悪くねぇな、宴の時には常に俺の膝に居ろ、オロチにもそう言っておこう」
『フフフッ……それでは縁起担ぎに三々九度と参りんしょう』
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
竜胆 - しゃらん。さん» どもー！イゾウ落ちの小説も良いですね！ww 夢主が金平糖好きって…また可愛いww (2023年2月4日 10時) (
レス) id: 32faf97f7c (このIDを非表示/違反報告)
しゃらん。(プロフ) - 西鶴.藍琉@FFX.Loveさん» わぁー！コメありがとうございます✨️あの人が落とされない日が来るのでしょうか( ˙-˙)笑 (2023年2月3日 18時) (レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
西鶴.藍琉@FFX.Love(プロフ) - 藍琉です〜。いやもう月乃兎太夫（主ちゃん）の相変わらずの花詠みの上げて落とすが最高です🤣 (2023年2月1日 13時) (レス) @page11 id: 8974fd4ba8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゃらん。 | 作者ホームページ：http://.uranai.riane.jarrck
作成日時：2023年1月28日 15時
