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この子の飴細工が忘れられなかった、作り上げたものもそうだが、飴に生命を吹き込むように真剣に作業に没頭する生き生きとした笑顔が美しかった
けれど、俺と出会ったあの日から、この子が飴に触れることさえしなかった事も自分を傷付けるような仕事をしていることも知っていた
何とかもう一度、あの姿を見たかった……それだけのつもりだった……
「……やはり、君の飴細工は素晴らしいね……欠けていく月の儚さがよく表現されている、ペロリン♪」
『いえ……手慰みですわ……私の飴細工に、あの頃のような情熱がありませんもの……けれどとても楽しかった……遊びのつもりでたまに作ってみます』
「遊びか……」
グイッ！
『ッ！？』
「そんな悲しいことを言うな」
『ペロスペロー、様？』
「俺はお前の飴細工も……お前自身が輝く姿も……1番近くで見ていたい」
『そ、それこそお戯れが過ぎますわッ……私よりももっと腕のある職人も輝いている女性も世界はおろかこの国に五万と居りますッ……！！』
「そうか……実に困ったね……」
クイッ……
「こっちは遊びじゃない……本気でお前に焦がれちまってキャンディーのように溶けそうなんだぜ？A」
俺は上手く笑えているだろうか……眉が下がっている事は情けないくらいに自分でもわかる……
年の離れた女ひとりにこんなにも恋焦がれちまったんだ……金平糖のように儚く消えてしまいそうなこの女に……
「俺も海賊、悪いがキャンディーのように甘くねぇ……お前が頷かねぇならこのまま去っちまうぜ？ペロリン♪」
『……夢のような……お話ですわ……』
「！？」
『私が飴に触らなくなったのは……貴方に焦がれてしまうから……飴ではなく……貴方を思ってしまうから……飴に触れる度に貴方を想い……届かぬ想いだと突き付けられてしまうからッ……』
ギュッ……
『私でッ……よろしいのですかッ……？』
「ああ、Aがいい……Aの作る飴細工以上に、Aの見せる表情や仕草……それを1つでも多く見ていたいんだ、ペロリン♪」
『フフッ……きっとみっともない姿ばかり見せてしまいますわ、飴作りの腕も落ちてしまっていますもの……これからまた励みますわ、貴方のことを想って……』
そう言って微笑むAの笑顔は、あの日を思わせるような輝く笑顔だった
そっと触れた唇から広がった味は、今まで食べたどんなキャンディーよりも甘く優しい味だと思った
end．
秘めた願いを蛍に託し【狂死郎】→←飴細工に溶けた想い【ペロスペロー】
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リリ(プロフ) - ありがとうございます！とっても面白かったです！ (2023年1月17日 23時) (
レス) @page29 id: 022cb966a8 (このIDを非表示/違反報告)
しゃらん。(プロフ) - リリさん» わかりました！では更新したらまたお知らせしますね！こちらこそ遅くなってすみません！これからもよろしくお願いします！ (2023年1月17日 8時) (レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - いいえ、とくにないです！それとコメント遅くなってすいません！ (2023年1月16日 17時) (レス) id: 022cb966a8 (このIDを非表示/違反報告)
しゃらん。(プロフ) - リリさん» はじめまして！コメント、リクエストありがとうございます！！キッド了解しました！シチュエーションや傾向などのご希望はありますか？ (2023年1月16日 7時) (レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - どうも、はじめましてリクエストなんですけど、キッドお願いできますか？ (2023年1月15日 23時) (レス) id: 022cb966a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃらん。 | 作者ホームページ：http://.uranai.riane.jarrck
作成日時：2022年10月8日 17時
