IF〜影の歌姫は世界を呪う〜【ONEPIECE】

動き出そうか ページ29

カサッ……


『ノイル……また、懸賞金……上がったんだ』





あれからとても長い時間が経った

今のAは21歳、自分の事を名前で呼ぶようになって、レースたっぷりのゴシックロリータファッションを好むようになって、髪は腰まで長くなって……

Aの歌声は世界中に響き渡っていた

耳に残る独特な旋律、透き通るような歌声、けれど世界に牙を剥くような刺激的な歌詞……何処か影を纏うような映像越しのその姿……みんなはAをこう呼んだ

きっと彼女は世界を正してくれる【影の歌姫】だと……





『クスッ……世界を正す……そうだね……Aの思う正しい世界……Aの歌でそんな世界にしてあげる……ねぇ？ゴードンさん』


ガシャンッ！！


「止めろッ……止めるんだAッ……お前の望む世界を！！彼らが本当に望んでいると思うのか！？」

『望んでるよ……みんな歌に振り回されてるの……歌は何も救ってくれない……歌は……全て奪っていく……貴方はその目で見たでしょう？Aの歌が……この国を滅ぼしたのを……』

「なッ……まさかッ……いつその事をッ……！！」

『フフッ……フフフッ……最初から知ってた……トットムジカの言葉をAは聞いた……望みと願いを聞いた……Aがトットムジカの望みを叶えれば……Aの望みを叶えてくれるって』

「そんなッ……そんな事がッ……！！」

『Aは歌に全て奪われたの……たった一つのの宝物まで奪われた……この世界から歌が無くなれば……きっとまた……シャンクスもノイルも笑ってくれる……いい子だね、偉いねって頭を撫でてくれる』

「早まるなA！！今ならまだ間に合う！！」


ヒラッ……


『こんな笑い方……ノイルじゃない……ノイルもシャンクスも……笑っててくれなきゃ駄目なのに……』





鉄格子越しにゴードンに見せたノイルの手配書は、笑っているのに悲しくなるような笑顔だ

ノイルの笑顔は優しいの……優しくて暖かくて……花が咲くようなって言う言葉が誰よりも似合う、そんな笑顔なんだから……





『もうすぐ……もうすぐだから……Aの歌でこの世界を……この時代を壊してしまえば……またノイルのあの笑顔は戻ってくる……またシャンクス達と一緒に居られる……見ててね』





Aの歌で作ってあげる……本当の【新時代】

シャンクスとノイルがずっと笑顔で居られる【新時代】





『さぁ……始めようか……Aの初ライブと……新時代』











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