163話 ページ17
それからというもの、私は鬼舞辻にひたすら話しかけた。
傍から見るとうんざりとするくらいには話しかけていた。
それでも鬼舞辻は一つ一つ話を聞いてくれた。
最初の頃は素っ気なかったけれど。
次第に表情は柔らかくなっていった。
「Aは不思議な奴だな。他の奴らの話など聞くに耐えないことばかりだというのに」
『飽きさせないように話すのは得意なんです。楽しんでもらえているなら良かった』
話が一段落して流れる沈黙もそこまで悪いものじゃない。
いつもはしばらくすると鬼舞辻は立ち去るのだが、今日は違った。
「Aといられるなら鬼でなくても良いと思ってしまうな」
『え?どういうことですか?』
「…私は別に鬼になりたいわけではなかった」
そこからゆっくりと鬼舞辻は人間だった頃の事を話し始めた。
病にかかっていたこと、それを治す為に飲んでいた薬で鬼となってしまったこと。
「ただ普通に生きていたかっただけなのに、なぜこうなってしまったのだろうな」
そう言う鬼舞辻の顔は悲しげだった。
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←162話
563人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かるぱす - この作品すっごく面白いです!続きが…読みたい…。更新待ってます!! (3月31日 0時) (レス) @page17 id: 11d8e78453 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカル(プロフ) - 続きがとても気になります。更新待っています。 (2020年12月18日 19時) (レス) id: d9d49eab75 (このIDを非表示/違反報告)
お砂糖(プロフ) - とてもいい作品なのにもったいないです(泣。更新を心待ちにしてます! (2020年7月23日 6時) (レス) id: 3f6d47070b (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - とっっっても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年7月7日 22時) (レス) id: afa01603c5 (このIDを非表示/違反報告)
しのぎ - 続きがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁないぃぃいいいいアだとぉぉぉぉぉ!!!!!!!!! (2020年6月14日 15時) (レス) id: 0eebcb3b29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠花 | 作成日時:2020年3月8日 3時