162話 ページ16
「私は完璧な状態で変わらず生き続けていたいだけだ」
鬼舞辻は小さくそう呟いた。
『自分だけが?』
「そうだ」
『そう、あなたは寂しい人ですね』
そう言うとすぐ後の壁が壊れた。
私の頬には赤い筋が1つできた。
「私が寂しい人だと?何を言うか貴様」
『だって1人だけ完璧なまま生き続けたいんでしょう?そんなの誰も着いて行けなくてあなたはずっと孤独になるじゃないですか』
上弦でさえきっと頸と日光によって消滅してしまうだろう。
『そんなの、寂しいだけじゃないですか』
「貴様には関係ないだろう」
一言そう言うと、琵琶の音とともに鬼舞辻は消えてしまった。
鬼舞辻だって元は人間だったのだから、そのくらいの感情はあるのではないだろうか。
何百年もの間心を許せる相手がいなかったとするなら、感情が麻痺してしまっている可能性だってある。
それなら、私がまずしなければいけないことは、鬼舞辻の人間らしさを取り戻させることだ。
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かるぱす - この作品すっごく面白いです!続きが…読みたい…。更新待ってます!! (3月31日 0時) (レス) @page17 id: 11d8e78453 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカル(プロフ) - 続きがとても気になります。更新待っています。 (2020年12月18日 19時) (レス) id: d9d49eab75 (このIDを非表示/違反報告)
お砂糖(プロフ) - とてもいい作品なのにもったいないです(泣。更新を心待ちにしてます! (2020年7月23日 6時) (レス) id: 3f6d47070b (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - とっっっても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年7月7日 22時) (レス) id: afa01603c5 (このIDを非表示/違反報告)
しのぎ - 続きがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁないぃぃいいいいアだとぉぉぉぉぉ!!!!!!!!! (2020年6月14日 15時) (レス) id: 0eebcb3b29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠花 | 作成日時:2020年3月8日 3時