132話 ページ36
師範の屋敷へと戻り庭へ行くと、師範が鍛錬をしていた。
私が戻ったのに気づくと近寄って来た。
「胡蝶の所行ってたのかァ」
『はい、怪我の具合を見てもらいに』
すると師範は優しく怪我した左手を撫でた。
「……跡は残るのか?」
『そうみたいです。別に気にしてないですからね』
そんな悲しそうな顔をしないでほしい。
『そんなことより!休憩にと思って甘味処でおはぎ買ってきたんです。一緒にどうですか?』
「そうだなァ、食うか」
『ではお茶を』
「俺がやるからお前はじっとしてろォ」
立ち上がってお茶の用意をしようとしたら、師範が立ち上がった。
『え、でも』
「傷が開くようなことしてんじゃねェよ」
通り過ぎざまに頭を軽く撫でてそう言った。
軽く触れられるだけでなんだか照れてしまう。
前までこんなこと無かったのに。
お茶とおはぎを御盆にのせてきた師範にムッとした顔を向ける。
師範は以前の甘露寺さん並に吹き出した。
そして落ち着いてから一言いった。
「そんな顔もいいなァ」
優しく微笑みながら言う。
ほんとに、そういう所ですよ師範。
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瑠花(プロフ) - いえいえさん» すごく嬉しいです!ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年3月2日 2時) (レス) id: d07b6182fc (このIDを非表示/違反報告)
いえいえ - いつも見てます!面白いし恋愛も有るから嬉しいです (2020年3月1日 19時) (レス) id: 0245037d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠花 | 作成日時:2020年2月21日 3時