129話 ページ33
「…悪かったなァ」
師範は小さくそう呟いた。
『いえ、こちらこそ急に出ていってしまってすみませんでした』
私がそう言うと師範は驚いたように目を見開いた。
「怒ってねェのか?」
『何をですか?』
「手を怪我させたのと無理矢理やっちまったことなんだがなァ」
手の怪我は私が勝手にやってしまったことなので師範のせいだとは思ってない。
無理矢理…
確かに合意では無かった。
でも嫌だったかと言われると嫌では無かった。
手つきや口付けは優しく、心地よかったから。
『むしろ良かったというか…』
そこだけ口から出てしまったことに気づき、慌てて手で口を塞いだ。
とんでもないことを言った気がする。
ほら、師範が意地の悪い笑みを浮かべている。
「そうかァ、良かったかァ」
一気に顔が熱くなる。
そして急に真剣な顔になった。
「順番がおかしくなっちまったが、俺はAが好きだ。お前はどうだァ?」
そう言われて言葉に詰まる。
確かに心地よかったが、これははたして恋情なのだろうか。
色々な事がありすぎて正直まだ心が追いついていない。
1036人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠花(プロフ) - いえいえさん» すごく嬉しいです!ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年3月2日 2時) (レス) id: d07b6182fc (このIDを非表示/違反報告)
いえいえ - いつも見てます!面白いし恋愛も有るから嬉しいです (2020年3月1日 19時) (レス) id: 0245037d9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠花 | 作成日時:2020年2月21日 3時