13.本当の私 ページ19
和『Aちゃんはミルクティーでいい？』
「…ありがとう」
私の前にミルクティーが置かれる。
いつもより静かなリビングに落ち着かない。
鈴『Aちゃん…今から話すことは君を確実に傷つけてしまうことになる。本当にそれでもいいか？』
「はい…それなりの覚悟はできています」
鈴『わかった…それじゃあ単刀直入に言うよ』
拡樹くんが私の目をじっと捉える
鈴『君はもうこの世にいない存在なんだ…』
…私が…この世にいない…？
鈴『…君は去年、交通事故に遭って一度死んでいる』
余りの衝撃に言葉が出ない
もう死んでるってなに？
事故ってどういうこと？
私は声にならない声で聞いた
「…じゃあなんで…私は生きてるの…」
拡樹くんが少し困った顔をする
「…教えてください」
和『ひ、拡樹！それ以上は言わない方が！』
鈴『雅成』
和『っ…』
再び拡樹くんの目が私を捉える
鈴『君は…』
「…」
鈴『タイムスリップしたんだ』
…タイム…スリップ…
どこかの漫画やアニメで聞く言葉に耳を疑いたくなる。
鈴『時間軸の歪みが君をこの世界につれてきたんだ…つまり君は過去の人間。過去と言っても去年までは高校生としてちゃんと生きていた』
「なんでタイムスリップなんか…」
鈴『君が交通事故に遭った時、何者かが時間操作を行なった。普通なら時間操作は行えない上に誰かに知られると捕まってしまう。だけど君は巻き込まれてしまった。犯人も君が巻き込まれることは想定外だっただろう』
「…」
鈴『だから犯人は時間操作の秘密が国にバレる前に証拠となってしまう君を殺そうとしているんだ』
北『まぁ、とっくの昔に国は気付いちゃってるんだけどね』
和『まぁな』
「え…じゃあなんで皆さんは私を守る必要があるんですか？私はこの世にいない存在だから別に殺されたって同じじゃ…」
鈴『Aちゃんが交通事故に遭ったのはその時間軸の歪みが原因だからね』
「えっ？」
北『Aちゃんはその犯人に巻き込まれて殺されたってこと』
和『だから俺達はAちゃんを守る上で巻き込んだ犯人を捕まえなきゃいけないってこと！』
北『もう死なせたりしないから』
和『俺達に任せな』
鈴『必ず犯人は捕まえる』
「っ…」
彼らの言葉に涙が止まらなくなる。
和『え！？Aちゃん！？』
北『ちょっ、まーしーティッシュティッシュ！』
和『どこっ！？』
鈴『ここにあるよ』
和『そこかい！』
ーー口に入れたミルクティーはまだほんのり温かかったーー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絢(プロフ) - はじめまして！絢といいます。はじめてちょこちっぷ。さんの投稿を見させていただきました。内容もめっちゃ好きだし、私は荒牧くんと北村くんを推しているので凄く嬉しいです！よろしければですがTwitterの垢、繋がらせていただきたいです！ (2019年2月3日 16時) (
レス) id: 9cd356a05d (このIDを非表示/違反報告)
ちょこちっぷ。(プロフ) - えだまめさん» えだまめ様、応援ありがとうございます！そのように言っていただいてとても嬉しいです(泣)はい！頑張ります！これからも応援よろしくお願いします！ (2018年1月3日 14時) (レス) id: 39520b162a (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - とっても面白いです！更新、大変だとは思うんですが頑張っください！応援してます！ (2018年1月1日 14時) (レス) id: 4376f8040a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこちっぷ。(プロフ) - 憂さん» いえいえ！全然大丈夫ですよ！こちらこそありがとうございます。フォローさせていただきます！ (2017年12月19日 9時) (レス) id: 39520b162a (このIDを非表示/違反報告)
憂 - めっちゃ見るのが遅くなりました、すいません、ありがとうございます。自分は@rui_mi_keyで初瀬 於荼って名前です！ (2017年12月18日 23時) (レス) id: bb81706667 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちょこちっぷ。 | 作成日時：2017年3月17日 15時
