The Plough〈SixTONES〉 (ページ1)

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＊

　
叶わない恋だってことなんて知ってた

でも、好きな気持ちは消えない

代わりに私に好きをくれるのは彼、でした

＊

「今日の講義意味わかんなかったねぇ、」

大学の講義が終わって北斗と廊下をだらだら歩く

　

『ほんと、早く終わんないかなってずっと思ってた』

「知ってる、暇そうな顔してたし」

、失礼だなぁ

「そんな顔しないでよ、可愛い顔が台無しでーす」
　
『可愛くないもんっ』

「可愛いよ、

＿＿＿少なくとも俺の中では1番ね」
　

ふわっと笑う北斗に、不覚にもゆっくりと心拍数が上がるのを感じる

同じ大学で、同じ学部で、同い年の北斗

入学式のときに隣の席だったから仲良くなって、今では親友、なはずなんだけど

毎日こうやって甘い言葉をくれる

「ねぇ、今ときめいてくれた？」
　

北斗の綺麗な瞳は、真っ直ぐ私を捉えている

　
『ときめいた気もしないことも、』

「なーんだよ、ときめけよぉー」

と、笑う北斗

こんな他愛ない会話が凄く楽しい

　
すると、

「Aちゃん！」

『、あれ？先輩！』

後ろから走ってきたのは慎太郎先輩

「Aちゃんが見えたから走ってきちゃった」

ふふ、と笑う先輩は少し汗ばんでるのに爽やかでかっこいい

「ね、今日のシフト、一緒だったよね！
せっかくだし、一緒に行かない？」

先輩、私のシフト覚えてくれてたんだ、

こんなに小さなことで喜んじゃう私ってバカだよね

　

慎太郎先輩とは、同じピザ屋さんでバイトしてる

気づいたら、

優しく教えてくれたり、
笑わせてくれたり、
たまに真面目な背中を見せてくれたり、

そんな先輩を好きになってしまった

先輩は人気者で、誰にでも優しいから私に特別な感情を抱いてる筈ない

でも、先輩がくれる少しの期待で、ずっと好きでいてしまってる

『あ、ちょっと待ってください、

ほく、』
　

北斗置いていけないよ

北斗の方を見ると、いつもの笑顔
そして、小さく手を振る

「バイト、頑張ってね」

『ありがと、また明日ね』

　

また私は北斗の優しさに頼っちゃってるんだ

先輩に手を引かれて、歩き出す

「どしたの？」

浮かない顔をしていたのか、先輩が私の顔を覗き込む
　

「なんかあったら頼ってよ？
いつでもAちゃんの味方だから」

私とおんなじくらい慎太郎先輩もずるいな