なんででしょう？【青葉城西】5 (ページ3)

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夏休みのハードスケジュールも半分終了し、本自治は烏野との合同練習。

昨日練習試合した疲れが残っているようでいつもは烏野絡みになるとうるさい及川さんも一段と静かだった。

「今日はよろしくお願いします、まさか青城と合同練習が組めるとは…」

と監督同士が話しているのでその間私は潔子さんと久しぶりにお話をする。

「お疲れ様です」

「うん、お疲れ様、前回は負けちゃったけど、次の大会は絶対勝つから」

「そう言われると私も烏野行きたくなっちゃいますね」

「もう、何言ってるの」

ほんとにAちゃんそういうところあるよね、ふざけてるのか本気なのかわかんないと潔子さんが笑ってくれたので、私が冗談でこんなこと言うわけない、というのは言わないでおくことにした。

「清水ー、田中と西谷が及川に威嚇してるからなんとかして止めてくれないか、って話してたか、すまん」

「大丈夫ですよ、私もそろそろ戻りますね。今日一日よろしくお願いします。」

「ごめんね、及川くんにも謝っといてもらってもいいかな、」

と眉を下げていうので嫌ですなんて言えるわけもなく、「わかりました、潔子さんからなんて言えば及川さん多分秒で許すんで」と返しておいた。

その足で田中と西谷に威嚇されている及川さんのところに行って「潔子さんがうちのがごめんなさいって言ってましたよ、」とちらりと田中たちの方を見ながらいうと「俺烏野に異様に敵対されてない？気のせいかな」と言っているので「さあ、」ととぼけておいた。

そりゃ及川さんのこと敵対するでしょ、と言う勇気は私にはなかった。

「Aさん、」

「あ、影山だ。どうしたの？お腹すいちゃった？私今何も持ってなくて、あ、飴ならリュックにあるかも、」

「俺別に腹減ったらAさんとこくるわけじゃねぇっす。」

初耳！という顔をすると心外というふうに顔を歪める影山。彼が心外という日本語を知っているかどうかは別の話だが。

「清水先輩がさっきAさんに悪いことしちゃったかなって落ち込んでたんで、気にしてないって伝えときました。」

「もう伝えたんかい、影山は私のなんなんだよ、」、話しかけに行ってあげてくださいとかかと思ったら事後報告だったので呆れて爆笑しているとなんで笑うんすか、とほんとにわかっていない様子である。

「影山っぽくていいねー、私は好きだよそういうの」

と引き続き爆笑していると「嬉しいけど嬉しくねぇ、」と呟くのが聞こえた。