なんででしょう？【青葉城西】4 (ページ8)

今日:10 hit、昨日:9 hit、合計:26,815 hit

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お互いに１セットずつ取り合い、このセットで決まる、という最後のセット。
正直余裕だと思っていたので内心びっくりである。

がんばってくださいねー、とにこやかに応援しながらさっきのセットのことを考えていると
「ねぇ、さっきのどう思った」
と及川さんが話しかけてきた。

インターハイ予選がはじまって以降初のコミュニケーションである。

「さっきのというと？」

「最後の、俺のサーブのあと」

「あー、岩泉さんの攻撃ですか？
完全に読まれてましたねー、ピンチのときこそエースだろ！ってのがばれちゃってました。
だてに中学で一緒にプレーしてないですね、影山も」

「そうだよね…」

「まぁでも月島と影山が予想以上にはやく歩み寄っちゃったのもあるんで仕方ないんじゃないですか。あそこで岩泉さん以外に頼るほうがびっくりですよ」

思ったことついでに「３セット目に速攻サインを変えてくるのではないか」ということも一応伝えてみると
「頭に入れとく」
と珍しく素直に私の話を受け入れてくれた。

そして迎えた運命の３セット目、予想通り速攻のサインが変わり、及川さんたちはそれに対して冷静に対処する。

及川さんのサーブレシーブからの渡のトスなど、様々なプレーが飛び交う中、こちらのネットタッチで烏野のローテがまわり、12番がピンチサーバーとして出てきた。

警戒を強める中、結局12番のサーブはネット。
しかし相手チームの空気はいい方向に変化した。

そのまま試合は続きデュース。
31点ずつになるという長期戦のなか、「後半に力を残す」といえば聞こえのいいい国見を使い続ける及川さん。

孤独の王様と呼ばれていた影山が一人ではないと、チームメイトの声援をうけ、信頼を覚えたことに気が付いた及川さんの指示によって

ドンピシャで上がった日向の変人速攻はブロックされ、最後のセットは私たちがとった。