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そろそろ職務を全うしましょう京谷くん。そうふざけていうと「クソ」と言いながら立ち上がって看板を背負い始めた。

ガニ股女装金髪坊主が看板を背負って校内を練り歩く姿はなかなかショッキングである。

小さい子が見たらトラウマ確定演出だ。

「あれ、狂犬ちゃん?」

しかも京谷が見つかりたくない人ナンバーワンである及川さんと鉢合わせてしまった。

「ア?」

「深森もいるじゃねぇか」

岩泉さんの声が聞こえた瞬間に威嚇態勢から警戒態勢に変わったのでさすがだなぁと思いながら二人のほうに目をやる。

「え、ど、どうしたんですかあの、ショッキングな格好をして…」

「お前らに言われたくないけどね」

及川さんたちはプリンセスのコスプレをさせられていた。

「なんか俺らのクラス展、逃げ回るプリンセスを捕まえろ!ってやつでさー、」

「女子がやるとケガするから男子が駆り出されてんだ」

そういう二人のクラス展は部屋の中にいる4人のプリンセスにより多くお手玉をあてるゲームらしい。
及川さんはシンデレラ、岩泉さんは白雪姫の格好をしていた。

岩泉キャストの白雪姫なら毒リンゴなんて一捻りでジュースになるだろう。

「そうなんですね、ちなみにシフトいつですか?及川さん」

「俺に玉あてるためだけに来ようとしてない?」

そんなまさか。と言いながら京谷はやる気満々である。

「明日の午前だよ、俺も岩ちゃんも」

「ウス」

「こういうときだけ返事しないの狂犬ちゃん!」

「そういえば国見が探してたぞ」

シフト入ってるって言ってたのにクラスいってもいないって。そう続ける岩泉さんに

「あぁ、私と京谷は見ての通り宣伝係なので」と手を広げて見せる。

「っていうか触れちゃいけないかとおもって触れてなかったけど狂犬ちゃんその恰好さ…」

「ア?」

ごめん、と言って続きを飲み込んだ及川さんに「あ、そういえば傘村がおいかわさんきてほしいなーきゃるんきゃるんみたいなアピールしてましたよ」

「今のモノマネ?似てなすぎでしょ」

と茶化した後にじゃあ行っちゃおうかなーシフトいつなの?と聞かれたので

「知りません興味ないので」と言っておいた。
これは紛れもない事実である。

「深森ってそういうとこあるよな」と岩泉さんに突っ込まれたがなんのことかわからなかった。

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作者名:紫苑 | 作成日時:2023年3月14日 17時

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