１７１：疑心 ページ14
ベッドに座ってため息をつく。
『おかえり』くらい言ってくれたっていいのに…。
そもそも、何であんなに機嫌悪いの？
メールに気付かないくらいで…。
久しぶりに早く帰って来れたのに、あんな態度とんなくたっていいじゃない。
私だって、寂しくても我慢してたのに…。
最初は機嫌が悪い和くんにどう接しようか考えてたけど、段々腹が立ってきた。
そんな時、携帯が鳴って。
知らない番号で出るのは躊躇したけど、相手は隼人さんだった。
私は今日のお礼を言って、これからの訓練の事、犬という共通の仕事を通して情報交換のを話してたら結構な時間が過ぎてて、ドアが思い切り開けられた事でハッとする。
きっとものすごい音だったのだろう…
ーAさん？すごい音しましたけど、平気ですか？
「あ、大丈夫です。隼人さん？またご連絡しますね。」
ーはい。じゃぁまた。
そう言って電話を切った途端にベッドに押し倒されて、その拍子に手から携帯が落ちて。
「ね？どういう事？俺とは居られないのに他の男と隠れて電話？」
見たこともない冷たい顔と聞いた事のない低い声の和くんに見下ろされてる。
そんな和くんにびっくりして何も言えない私。
「黙ってちゃわかんねぇよ？」
「…別に隠れてなんか。」
「…。」
和くんも何も言わない。
その時また携帯が鳴る。
音でメールだと判断。
「…翔さんか…。俺ってAの何？」
「何って…？」
「Aってさ…俺の事本当に好きなの？本当はさ、翔さんのがいいんじゃない？あ、それともさっきの隼人さん？だっけ？」
そう言われて堪えていた涙が溢れる。
信じてもらえてないんだね？
私が泣いたのを見て和くんが一瞬手の力を抜いた。
その隙に和くんを押しどけて玄関に走る。
「A！待って！」
そう言った和くんに振り返らずに玄関を出て走った。
咄嗟にエレベーターじゃと思い非常階段から外に出た。
エントランスから反対の出口から道に出て泣ながらあてもなく歩く。
私、何か悪い事したっけ?
あんなに疑われる様な事した？
どっちにしろ私を信じてくれていない人とはもう一緒には居れない。
疑いながら一緒にいるのは苦痛だと５年前の事で嫌という程身に染みてる。
けど、どうしよう。
携帯も財布も鍵も置いてきちゃった。
真央の番号はわかるけどお金ないし。
そのまま１時間くらい歩いていると…
「Aちゃん？」
って呼ばれて振り返ると、『やっぱり』ってふにゃっと笑う智くんが立っていた。
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しおなな(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！フラグ作品は今本当に悩んでて・・。書きたいような、でも私に書ききれるかどうか・・。もし別に作るときはお知らせさせて頂きますね。 (2013年3月17日 16時) (
レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
なお - この作品大好きです♪フラグつきぜひ読みたいです(//∇//) (2013年3月17日 14時) (レス) id: eee334db08 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 虹。さん» お二人共お若いんですね！おばちゃんびっくりです(笑) (2013年3月17日 11時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
虹。 - ゆりあさん» わたしもです。 (2013年3月17日 10時) (レス) id: 0d50aebee8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ - 実は私も15歳以下ですｗ (2013年3月17日 10時) (レス) id: 89a5f54d07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年3月9日 19時
