椚色トライアングル (ページ3)

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2時間目ページ3

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「赤羽。」

焼き上がったトーストと紅茶を運んで席についた時、

向かいに座っていた学秀が唐突にその名を口にした。

反射的に、私は彼に視線を向ける。

「今日から停学明けらしい。無論、Ｅ組復帰だがな。」

「そう。」

薄い私のリアクションが意外だったのか、続け様に彼は尋ねる。

「もう連絡は取っていないのか。」

学秀の言葉には、疑念と、若干の嫌悪感が含まれていた。

一二年生の頃、業と私が親しくしていたことを知っているからだろう。

理事長は私の交友関係に口を出すことをしなかったが、業と犬猿の仲ともいえる学秀は当時から不服そうであった。

彼が暴力沙汰で停学をくらった時には、それみたことかという顔をしていたし。

「もう何の関わりもないよ。間違っても学秀には迷惑かけないから。」

そうか、と答えて

彼はそれ以上深追いはしなかった。

食事を終えて席を立ち、自室に戻る学秀の背中を見ながら

つい先日、理事長から直接聞かされたあの話を思い出す。

国家機密だという超生物の話を。