５１：親孝行 〜ニノ〜 ページ6
うちの姫ちゃんが、こんなガサツになったらどうしてくれんだって。
「ねぇ、和？産後はどうするの？」
不意に母さんが言う。
「ん？」
「産後１ヶ月位は、赤ちゃんのお世話以外横になってた方がいいから。」
あぁ、普通は実家にお世話になるもんな。
多分、頼めば母さんは、ここで面倒見てくれるだろうけど、Aも気を使だろうし、何より俺が１ヶ月もAと離れられない。
ここから仕事に向かうにはちょっと距離がある。
「いいよ。俺が家事はやるし、スケジュールも何とかしてもらうし。」
「そう。」
それ以上母さんは何も言ってこなかった。
けど、ちょっと寂しそうな顔で言ったのが気になって。
「和くん？退院して、１週間位はお世話になりたいな。赤ちゃんのお世話も初めてでわからない事もあるだろうし。」
・・ホントにこのコは。
「ホントによくできたコだよね。やっぱりあんたには勿体無い。」
「うっせえ。お前が言うな！・・ってAがそう言ってるし、お願いしてもいい？」
「もちろんよ。」
そう言って笑ってくれた母さん。
これも親孝行のうちなのかな。
特殊な世界に入った俺をずっと応援してくれてた両親。
この世界にいる事で迷惑をかけた事もあったと思う。
けど、そういう一面はけして見せずに俺の意志を尊重してくれた。
「よろしくお願いします。」
そう言って俺の隣で頭を下げるAが誇らしく思う。
「お願いされます。」
「だから！お前が言うのはおかしいだろ？」
「あんた１週間はこなくていいから。」
「んな事するわけねぇだろ。毎日帰る。」
毎日、Aと姫ちゃんのお顔は見ないと仕事にならないし。
「お前達・・いい加減にしないと赤ちゃんがびっくりするぞ。」
親父にそう言われて、ハッとする。
Aのお腹を撫でて、
「ごめんね、姫ちゃん。」
って言う。
大丈夫かな？びっくりしちゃったかな？
「ねぇ、Aちゃん？姫ちゃんお返事しない。」
「ふふふ。大丈夫だよ。寝てるのかな。」
微笑みながら言うA。
そっか。んならいいけど。
「てか、何？そのデレデレ。しかも家族の前で。」
「うるせぇ。いいだろ。ねぇ、姫ちゃん。」
Aのお腹にチュッとする。
「Aちゃん？」
「はい。」
「コイツ、いつもそうなの？」
呆れてAに言う姉貴。
「はい。いいパパですよ？」
やっぱり微笑みながら言うA。
「お母さん、人って変わるんだね？」
「ふふ、そうね。」
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みぃる - 君色世界を読んでと心がホッコリするので大好きです！ (2013年9月7日 3時) (
レス) id: 7ddb89caf4 (このIDを非表示/違反報告)
とゅゆ - にのすきー！ (2013年8月30日 22時) (レス) id: 43e9d5b2c6 (このIDを非表示/違反報告)
恋嵐(プロフ) - すごくX10かんどうしました!!!!これからもがんばってください！応援します!!! (2013年6月19日 15時) (レス) id: 637c5a7ee6 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 弥生☆さん» 漁師さんてすごいです！海の近くに住んでるのですね？羨ましいです。まぁ、私も海まで車で１５分の所ですが(笑)海と山に囲まれてる田舎者です。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 二宮きぃさん» 赤ちゃんのお世話って本当にストレス溜まるから、その辺を書けたらなぁと・・。その辺を二宮さんがどこまで理解しているかですよね。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年5月9日 12時
