７９：３２本 ページ34
宅配業から荷物を受け取る。
それを抱えて階段を上がりリビングのドアを開けると、Aと目が合う。
「どうしたの、それ？」
俺が持ってる物を指差して言う。
「ん？」
それには答える事なく、Aに近寄り手を握ってソファに連れて行く。
「和くん？」
戸惑うAにそれを差し出すと、戸惑いながら受け取る。
「ちょっと遅れたけど、 お誕生日と結婚記念日。」
「え？」
マジマジとそれを見るA。
「ちょっとベタだった？」
「ううん。嬉しい。花束貰ったの初めて。」
目を潤ませながら微笑むA。
Aの『初めて』を貰えた事が凄く嬉しくて。
「今年は３２本。来年は３４本。」
「何で３２本？」
「Aの年齢と結婚の年数。」
「そっか。ありがとう和くん。」
そう言って俺の頬にキスを落とす。
「いえいえ、どういたしまして。」
「ごめんね？私、何も用意してない。」
「いいの、Aは。俺にもうひとつ宝物くれたから。」
Aの頬を撫でながら言う。
「ん？」
「みぃちゃん。頑張って産んでくれたでしょ？」
「うん。」
「Aがいて、みぃちゃんがいて・・。それだけで俺は幸せ。一生分のプレゼント貰った。」
「ん。」
涙ぐむAを花束ごと抱きしめる。
「泣かないの。」
「・・ん。」
「このバラが抱えきれなくなるまで一緒にいるから。ずっとずっと俺とAは一緒。」
「・・ん。」
「死ぬまで離さないから覚悟してて？」
「ん。」
少し身体を離すと涙でぐしょぐしょのA。
「もぉ、本当に泣き虫さん。」
チュッチュッとキスで涙拭ってやる。
「Aちゃん？笑って？俺は笑ったAちゃんが大好きだよ？」
俺がそう言うと目に涙を溜めてふわっと微笑むA。
「ふふ。可愛い。」
ギュっと抱きしめる。
「A？」
「ん〜？」
「お誕生日おめでとう。生まれてきてくれて、俺と出会ってくれてありがとう。」
「・・・ん。」
あ〜あ、また泣いちゃった。
「和くんずるいよ・・。」
「ふふ。ずるくない。」
Aを抱きしめながら、ゆっくり髪を撫でていた。
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みぃる - 君色世界を読んでと心がホッコリするので大好きです！ (2013年9月7日 3時) (
レス) id: 7ddb89caf4 (このIDを非表示/違反報告)
とゅゆ - にのすきー！ (2013年8月30日 22時) (レス) id: 43e9d5b2c6 (このIDを非表示/違反報告)
恋嵐(プロフ) - すごくX10かんどうしました!!!!これからもがんばってください！応援します!!! (2013年6月19日 15時) (レス) id: 637c5a7ee6 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 弥生☆さん» 漁師さんてすごいです！海の近くに住んでるのですね？羨ましいです。まぁ、私も海まで車で１５分の所ですが(笑)海と山に囲まれてる田舎者です。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 二宮きぃさん» 赤ちゃんのお世話って本当にストレス溜まるから、その辺を書けたらなぁと・・。その辺を二宮さんがどこまで理解しているかですよね。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年5月9日 12時
