７５：嘘は無い ページ30
「はい。みぃちゃん。パパがミルクあげるからおいで？」
和くんがミルクを持って和室に戻って来ると、既に寝ている美桜ちゃん。
「和くん？ごめんね。母乳飲みながら寝ちゃった。オムツ替えても起きないし。」
「えぇ〜。」
本当に残念そうに言う和くん。
「俺も母乳出ればあげられるのに・・。」
美桜ちゃんの顔を覗き込んで、わけのわからない事を言う始末。
「んじゃ、しょうがない。Aちゃん？朝ごはん行きましょ？」
そう言って私に手を差し出す。
「うん。」
お母さんは本当によくしてくれて、申し訳ない。せめてお皿洗いくらいしたいのに、『産後は水触るのがよくない』と一切させてくれない。
「おはようございます。」
『おはよう。』
皆さん挨拶してくれて、ずっとひとりで生活してきた私にとってはそれが凄く幸せで。
「どうぞ、そこに座って。」
お母さんに言われて、お姉さんの隣に座る。
「俺は？」
「あんたは、こっち。」
私の向かいのお父さんの隣を指差す。
「イヤ。俺、Aちゃんの隣がいい。」
和くん？！
「あんたって、ホントに・・。」
呆れかえるお母さん。
「私さ、あの会見、仕事の為に作ってるって思ってたけど、一緒に生活して事実だって事がよくわかった。」
ってお姉さん。
「嘘なんて、ひとつも言ってねぇよ。ねっ？Aちゃん？」
ニコって笑って私に振る。
どうしよう。
何て答えたらいい？
「Aちゃん、困ってんじゃん。」
「え？何で？」
「何でって・・。」
家族の前で、恥ずかしいじゃん。
「和、いいから早く食べなさい。」
お父さんに言われて、渋々席に着く。
「今日は、何時に出かけるの？夕飯は？」
お母さんに聞かれる。
「今日休み。」
「え？そうなの？」
思わず聞く。
「ん。だから、１日中Aちゃんと一緒。お布団の中でくっついてる。」
家族皆の前で、ニコニコしながら平然と言う和くんに恥ずかしくて、顔が赤くなる。
「〜っ//。」
「お母さん、ご馳走様。何だか食べる気失せた。」
テーブルから足早に去るお姉さん。
「まぁ、あれだ・・うん。程々にしときなさい。」
箸を置いて新聞を広げるお父さん。
「私、育て方間違った？」
真剣に言うお母さん。
「母さん？全然、間違ってないよ？こんなに奥さん大事にできる息子で嬉しいでしょ？」
「そうだけど、物には限度ってモンがあるでしょ？」
「え？家ではもっとだけど？これでも抑えてる。」
ご両親のため息が聞こえた。
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みぃる - 君色世界を読んでと心がホッコリするので大好きです！ (2013年9月7日 3時) (
レス) id: 7ddb89caf4 (このIDを非表示/違反報告)
とゅゆ - にのすきー！ (2013年8月30日 22時) (レス) id: 43e9d5b2c6 (このIDを非表示/違反報告)
恋嵐(プロフ) - すごくX10かんどうしました!!!!これからもがんばってください！応援します!!! (2013年6月19日 15時) (レス) id: 637c5a7ee6 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 弥生☆さん» 漁師さんてすごいです！海の近くに住んでるのですね？羨ましいです。まぁ、私も海まで車で１５分の所ですが(笑)海と山に囲まれてる田舎者です。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 二宮きぃさん» 赤ちゃんのお世話って本当にストレス溜まるから、その辺を書けたらなぁと・・。その辺を二宮さんがどこまで理解しているかですよね。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年5月9日 12時
