６５：お名前 ページ20
本当に世の母親達はスゴイと思う。
何とも表現できないこの痛さ。
「はい。いきんでみようか？」
どうやって？
「お臍見て。あぁ〜痛くても目を瞑っちゃダメ。」
段々いきむのにも慣れてきた。
次に辛いのが、いきむのを逃さないといけない事。
「今、いきんじゃダメよ。」
そんな事言われたって、勝手に力が入る。
和くんはタオルで私汗を拭ったり、水を飲ませてくれたり・・。
お産体制に入ってから１時間。
陣痛の間隔が狭くて、もうずっと痛い感じ。
「頑張れ。」
って言い続ける和くん。
「あ、破水したね。」
あぁ、感覚でわかる。
「はい、いきんで。」
その後も助産師さんの言うタイミングでいきみ続ける。
「頭見えてきたわよ？もう少し。」
いつの間にか部屋には人が増えていて、赤ちゃんのベットも用意されている。
「A。頑張れ。」
ギュっと手を握って和くんが言う。
もう無理って・・何回も思ったけど、本当にもう無理って思って力いっぱいいきんだら、するっとした感覚がして、陣痛がピタッと止まった。
「はい。おめでとうございます。女の子です。」
元気な産声を上げる我が子を、胸の上に置いてくれる。
「こんにちは。」
私の頬にポタって雫が落ちてきて、見上げると和くんが泣いていた。
「A？よく頑張ったね。ありがとう。」
そう言って汗まみれの私の額にキスをした。
赤ちゃんを産湯で綺麗にしてもらって、体重や身長を測り助産師さんは和くんに渡す。
ちょっとぎごちなく赤ちゃんを抱いて、我が子を見つめる和くんの顔はすごく優しくて、なんだ今頃泣けてきた。
「よし！決めた。」
「ん？」
「お名前。」
「何？」
「『美桜』・・『二宮美桜』」
「『みお』ちゃん？」
「ん。」
検査などの為に美桜ちゃんは連れて行かれて、和くんがちょっと寂しそう。
「俺、メールするわ。」
そう言ってさっき撮った写真を添付してメールを送る。
「和くん？お父さんにもお電話しないと。」
「ん。」
携帯を持ち部屋から出て行った和くん。
暫くこのまま回復を待つ私は、自分のお腹がペタンコになっているのがちょっと不思議で少し笑ってしまった。
「どうした？」
笑ってた所を電話から帰ってきた和くんに見られたらしい。
「ううん。お腹がペタンコで不思議だなって。」
布団の上から私のお腹でて、
「本当だ。」
って言って微笑む。
「A？」
「ん？」
「お疲れ様。」
そう言った和くんがキスをくれた。
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みぃる - 君色世界を読んでと心がホッコリするので大好きです！ (2013年9月7日 3時) (
レス) id: 7ddb89caf4 (このIDを非表示/違反報告)
とゅゆ - にのすきー！ (2013年8月30日 22時) (レス) id: 43e9d5b2c6 (このIDを非表示/違反報告)
恋嵐(プロフ) - すごくX10かんどうしました!!!!これからもがんばってください！応援します!!! (2013年6月19日 15時) (レス) id: 637c5a7ee6 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 弥生☆さん» 漁師さんてすごいです！海の近くに住んでるのですね？羨ましいです。まぁ、私も海まで車で１５分の所ですが(笑)海と山に囲まれてる田舎者です。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 二宮きぃさん» 赤ちゃんのお世話って本当にストレス溜まるから、その辺を書けたらなぁと・・。その辺を二宮さんがどこまで理解しているかですよね。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年5月9日 12時
