６４：怖い事 〜ニノ〜 ページ19
男ってこういう時本当に無力。
目の前で必死に痛みと戦ってるAの腰をさするしかできない。
「ちょっと、ご主人。そんなんじゃダメ。」
助産師さんにダメ出しされて、やり方を教わる。
「A？水飲む？」
「ん。」
ストローをつけたペットボトルを差し出す。
これが便利だって、育児雑誌に書いてあった。
入院してから、既に４時間。
朝の６時。
助産師さん曰く、まだまだらしい。
確か、今日は午後からだった気がする。
もう少し経ったら杉山さんに連絡しないと。
「ん〜・・。」
波が来たのか目をギュって瞑り耐えるA。
手を握り、腰をさすってやる。
何だかさっきより波の間隔が短い気がする。
俺は時計を見て時間を図る。
やっぱり・・。
５分位になってる。
Aの額の汗を拭ってやり、貼りついている前髪をかき分けると、『ありがと』って微笑んで言うA。
５分間隔のまま２時間が過ぎて、杉山さんに電話する事に。
ーはい。
「俺。」
ーおはようございます。どうされました？
「子供生まれそうで、今病院なんだけど。」
ーわかりました。ちょっと調整できるかやってみます。
「うん。よろしく。」
それだけで多分杉山さんはわかってくれてる。
そして、彼の事だから・・。
「はい。」
ー今日はオフにしました。後日のスケジュールはもう一度調整して連絡します。
「了解。ありがとう。」
ーいえ。では。
ね？
「A？俺ね、今日休みになったから最後まで立ち合うよ。」
「ええ？！もぉ、杉山さんに無理言ったの？」
「ううん。杉山さんがそうしてくれたの。」
「そっか。」
どこか安心した様に笑うAを見て、やっぱりひとりは不安だったんだろうなって思う。
「姫ちゃんはいいコだね？ちゃんとパパがいる日に生まれてくれる。」
そう言ってAのお腹にキスをする。
「ふふ。そうね。」
・・・陣痛の波が５分間隔になって更に２時間。
助産師さんがAの様子を見に来た。
「全開かな？そろそろお産に入りましょうか。」
そう言って支度を始める助産師さん。
え？！生まれるって事？
「もう、生まれるんですか？」
「ん〜初産だし、直ぐに直ぐではないとは思うけど。」
強い痛みを必死になって逃すAが可哀想で、
「ママ痛いの可哀想だから、なるべく早く出て来いよ？」
お腹をさすって言う。
「ご主人？これからが痛みも本番です。」
んな、怖い事Aの前で言うなよ。
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みぃる - 君色世界を読んでと心がホッコリするので大好きです！ (2013年9月7日 3時) (
レス) id: 7ddb89caf4 (このIDを非表示/違反報告)
とゅゆ - にのすきー！ (2013年8月30日 22時) (レス) id: 43e9d5b2c6 (このIDを非表示/違反報告)
恋嵐(プロフ) - すごくX10かんどうしました!!!!これからもがんばってください！応援します!!! (2013年6月19日 15時) (レス) id: 637c5a7ee6 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 弥生☆さん» 漁師さんてすごいです！海の近くに住んでるのですね？羨ましいです。まぁ、私も海まで車で１５分の所ですが(笑)海と山に囲まれてる田舎者です。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 二宮きぃさん» 赤ちゃんのお世話って本当にストレス溜まるから、その辺を書けたらなぁと・・。その辺を二宮さんがどこまで理解しているかですよね。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年5月9日 12時
