６２：記念日 〜ニノ〜 ページ17
お腹の大きなAの手を引き、１年前と同じ場所へ。
「今日は、二人一緒だね。」
部屋に入ったAがそんな事を言う。
そっか。
思えば２年前も、去年もAが先に来てピアノを弾いていた。
アルコールは呑めないから、二人ジュースで乾杯。
「俺ね、去年の今日。めちゃくちゃ緊張してた。」
「そうなの？」
「うん。断られる事は無いって思ってても、何かね・・。」
「ふふ。そうだったんだ。でも、『虹』は本当に素敵だったよ？」
「そ？今日も弾こうか？緊張してない分、今日のが上手く弾けるかも。」
「いいの。和くんの『虹』はあの時だけの特別な思い出にしたい。」
『ごめんね？我儘で。』そう言ったA。
「ううん。Aがいいなら。それでいい。」
腰を抱く俺の肩にコテンと頭を乗せる。
「覚えてる？２年前、ここで『虹は特別な時に俺が弾く』って言ったの。」
「うん。もちろん。」
「俺ね、告白する前からAと将来こうなる事を望んでた。それが現実になって、来月には家族も増えて・・。すっげぇ幸せだよ？」
「うん。私も、幸せ。」
「俺の幸せはAがいるから成り立ってるんだ。Aがいないと幸せなんて感じられない。もちろん仕事の面では、ファンのコ達に幸せ感じさせてもらってるけどさ。」
「うん。和くん？」
「ん？」
「幸せを感じられるって・・幸せだね。」
「・・だな。」
腰に手を回してない方の手でAの頬を包む。少し傾けて、ゆっくり顔近づけると、Aが目をそっと閉じる。
それを見届けた俺も目を閉じ、Aにキスをする。
唇を離し、そのまま額同士をコツンするとふわっと笑うA。
「愛してるよ。」
「ん。」
もう一度、唇を重ねる。
「和くん？」
「ん？」
「ずっとずっと二人で幸せ感じようね？」
「うん。」
「あ、来月には三人か。」
お腹を撫でるAの手の上に手を重ねる。
「俺はあと最低二人は増やす予定だけどね。」
「ええ？！そうなの？」
びっくりした顔で俺を見る。
「うん。最低三人は欲しいな。」
「そっか。色々頑張らないとね？」
「Aちゃん？それって・・。」
そっちのお誘い？
もちろん、和くん頑張りますよ。
「違います。仕事とか育児とかです。」
「ふふ。わかってるよ。」
「和くん？」
「ん？」
「来年は姫ちゃんと一緒に来ようね？」
「うん。もちろん。」
Aのお腹に手を添えたままキスをした。
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みぃる - 君色世界を読んでと心がホッコリするので大好きです！ (2013年9月7日 3時) (
レス) id: 7ddb89caf4 (このIDを非表示/違反報告)
とゅゆ - にのすきー！ (2013年8月30日 22時) (レス) id: 43e9d5b2c6 (このIDを非表示/違反報告)
恋嵐(プロフ) - すごくX10かんどうしました!!!!これからもがんばってください！応援します!!! (2013年6月19日 15時) (レス) id: 637c5a7ee6 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 弥生☆さん» 漁師さんてすごいです！海の近くに住んでるのですね？羨ましいです。まぁ、私も海まで車で１５分の所ですが(笑)海と山に囲まれてる田舎者です。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - 二宮きぃさん» 赤ちゃんのお世話って本当にストレス溜まるから、その辺を書けたらなぁと・・。その辺を二宮さんがどこまで理解しているかですよね。 (2013年5月30日 8時) (レス) id: 74315ac743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年5月9日 12時
