その瞳に溺れて。(黄) (ページ12)

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朝、目覚めると

ひとり暮らしの俺には有り得ない、

グツグツ、コトコトと、なんとも家庭的な音が家中に響いている。

何事かと思って、急いで起き上がって半分寝ぼけたままにリビングをさまよう。

『あ、起きたの、？』

キッチンに立つ、国民的大女優。

待ってアタマが追いつかへん。

｢、、なにしてんの？｣

『何って、泊まらしてもらったお礼？』

｢あ、そう、、｣

『何、嫌だった？』

なんて、ちょっと上目遣いで瞳を潤ませながら聞いてくるから、

｢いやいや、嫌ちゃうけど、ただ、お前料理すんねんな。ほら、細いやん？お前。ちゃんと食うてんのかなって。やから、びっくりした。｣

素直に思ったことを言っただけだった。

その途端、彼女の顔がどんどん曇っていく。

『...はぁ、あいつと一緒。』

ボソッと言った言葉を俺は聞き逃さなかった。