3:必要なこと？ ページ5
｢ほらみんな、今は台本の確認中だよ。そういう事は私が後でセツナ君に聞いておくから｣
私はパンパンと手を叩き、沈黙を破る。
こうでもしないと話が進まない、それに"アレ"についての話はなるべくしない方がいい。
その後私達は、そのまま台本の確認を続けた。
・
｢じゃあ、明日はまた台本の確認をもう一度したら、演技の稽古ね、脚本に対しての意見もそこで｣
台本の確認が一通り終わり、明日の予定を聞くと、皆それぞれ帰りの準備し、帰っていった。
｢ばいにゃ〜｣
｢あの…お疲れ様、でした｣
微笑んで手を振り、私は皆が部屋を出るのを見送った。
結局、セツナ君は戻ってこなかったけれど、やっぱりあの"予告状"について、話し合っていたのだろうか？
現在劇団が抱えている問題は１ヶ月ほど前から1週間毎に届いている予告状…。
内容は不吉な物で劇団内の中で不安を掻き立てている。
一体アレは何なのだろうか…。
そんな事を考えていると、ミーティングルームのドアが開く音がし、振り返る。
｢ご、ごめん、遅くなっちゃって…って、あれ？みんな、もしかして帰っちゃった？｣
そこには左手に台本を持ち、急いで来たのか肩で息をしている様子のセツナ君が立っていた。
既に皆、帰った後なのでセツナ君はバツの悪そうな笑みを浮かべて頬をかく。
｢俺、一足遅かった、かな？｣
｢うん、もうミーティングは終わったよ｣
｢ご、ごめん、進行役を全部任せちゃったみたいで｣
｢いいのいいの、リーダーのカバーは副リーダーの役目ですから｣
｢はは、ありがとう、副リーダー｣
笑いながらセツナ君はそう言うと、私の向かい側の席に座った。
｢…カズネさん、何て？｣
｢あぁ、それがあの予告状について調べてもらう為に探偵さんに依頼をしたんだって、それで俺が明日その探偵さんの案内役を任されたんだ｣
探偵とは、これまた今のご時世で珍しい。
滅多に顔を見せない劇団の主宰者のカズネさんが一体なんの用で来たのかと思ったらそういう事か。
セツナ君はその事で、色々聞いてきて遅くなってしまったようだ。
｢ふ〜ん、櫻庭ヤヨイさん、ね｣
｢うん、Aさんと同い歳みたいだし、仲良くできるかもね｣
｢別に、私そんな事考えていないけど？｣
｢まあまあ、俺達、あんまり外部の人と接触しないし、そう言わずにさ｣
｢…考えておく｣
・
__仲良くなんて、それって必要な事なの？
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菖蒲(プロフ) - とても面白いです！これからも、自分のペースで更新頑張ってください。 (2018年11月20日 1時) (
レス) id: 4e9c012397 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星ノ猫 | 作成日時：2018年10月9日 6時
