Behind Love. (ページ7)

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『……や、やだな、そんなこと言ったら女の子は勘違いするんだから、良くないよ』

何言ってんの、自分。

嬉しかったくせに、"良くないよ"なんて。

廉「勘違いしたんや？」

なんで、そんなに胸を掻き回すんだろう。

もしかして、恋愛小説読んでいるから知っているのかな、女心。

『……し、してない……って言ったら、嘘かな…？』

少しは貴方も期待してみて欲しかった、ただそれだけ。

廉「……Aちゃんも、そういうのあかんで」

『だ、だよね、ごめん』

廉「違くて！……俺も、期待するで？」

そんなピュアなんだ、永瀬くんって。

そう思ったら、なんか笑えちゃった。

廉「何笑ってんねん！あぁ…恥ず…」

電話越しでも恥ずかしいのが伝わってくる。

何これ、付き合ってるみたいじゃん。

『恥ずかしいんだ？笑』

廉「恥ずいよ、そりゃ」

『なんで？』

廉「分かんねぇの？

ずっと、Aちゃんのこと気になっててん」

………え？

気になってた？

だって目も合ったことないし…。

『え、え？』

廉「みんな女子って、俺の顔目当てやから近づいて来てるんやろ？」

『そう、なのかな』

廉「前聞いたんよ、友達に」

『へぇ』

案外鋭い男子もいるんだな。

廉「でも、Aちゃんは来なかったやん、俺のとこ」

『だって、近づいてはいけない存在っていうか』

廉「ふっ、何それ」

『だって、神々しくてみんなの王子様って感じで…私なんか』

廉「そんなAちゃんが可愛いなーって」

言い方からして軽い感じがするけれど。

どんなでもいい、彼に好かれているのなら。

廉「俺と、付き合ってくれませんか」

照れたその声に、私は大きく頷いた。

でもこの時疑ってればよかったんだ。

男子じゃ珍しかった恋愛小説の読者だったってこと

人通りの少ない階段の踊り場までわざわざ連れられたこと

何故か本を返すよりも先に連絡先を聞かれたこと

やけに早かった告白

おかしなことは色々あったはずなのに、

告白されたことに舞い上がっていた私は気づかなかったんだ。