Behind Love. (ページ41)

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『私、ショックだったの』

ぽつりぽつりと言葉を零し始めた私を、廉は止めなかった。

『学校でいつも輝いて笑ってる廉を見ていたから。そんな廉が好きだったから』

廉「…じゃあ本当の俺なんて、」

『…ううん、私は本当の廉をずっと見てた』

廉「…俺を？」

『遠くから、輝いている廉を見て毎日元気になってた』

その笑顔に、声に、顔に、匂いに、雰囲気に、その何もかもに、私は毎日生かされていた。

『そんな廉が、私の中の廉のイメージだったの。だからその分、違う廉でショックだった、嘘をつかれてたみたいで』

廉「…そうするしかないねん、ほんまの俺なんか、誰も受け入れてくれんのやから。作るしか、ないんや」

廉はきっと、そう思い込んでいるだけだ。

作られたものに、あんな雰囲気は纏えない。

傷ついたことで荒んだ心が、まるで嘘みたいになってしまった。そのせいで、廉は勘違いをしてしまってるんだと思う。

『廉は、作ったものを纏えるほど器用な人間じゃないよ。一緒にいたらわかる』

廉「そんなの…わからんやんか」

『廉が思ってるより私、廉のこと好きなんだよ、ちゃんと見てるよ？』

廉「今も…？」

『今も、好きだよ、廉のこと』

廉「…じゃあ、もう1回、俺にチャンスくれへん…？今度は…絶対に、Aを悲しませたりせぇへんから」

怖いと、思う。

こんなに弱々しい廉なのに、どうして鋭い眼差しなんだろう。

そんなにすんなり信じていいものだろうか。

廉「A」

あぁ、だめだ。

そんな愛おしそうな目で見られたら、私はもう信じるしかない。信じざるを得ない。

『…わかった。廉を、もう1回信じてみる』