Behind Love. (ページ5)

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「ねぇねぇ見たよー？さっき永瀬くんとどっか行ったでしょー？」

はやし立てるように笑いながら肘でつついてくる、友達。

『別に、貸してって言われてたの』

「何を？」

『んー……秘密』

「ずるーい」

前何も接点なかったじゃん、なんて言っている友達。

本当に、つくづくそう思う。

次の日。

「AAー！」

『んー？』

「永瀬くんがお呼びですよぉ？」

『ちょっと、あんまりおっきな声で…』

友達のその言葉に、私に視線が集まる。

"永瀬くんと接点あった？あの子"

"永瀬くんあんな子が趣味なの？"

悪口、陰口、沢山聞こえてくる。

廉「あー…」

教室内の雰囲気を察したのか、廉くんは

廉「昨日のとこ、昼休みな」

簡単にもっと意味深な言葉を残して帰っていった。

"昨日のとこって、昨日も集まってたの？"

"いつの間に…"

もっと噂の火をつけて行った、永瀬くんだった。

昼休み、みんなが談笑しているところをこっそり抜けて、階段の踊り場へ行ってみると運動着姿の永瀬くんがいた。

廉「おっ、来た」

壁によりかかって待っていた永瀬くんは、とても絵になっていた。

『あ、えっと、さっきはごめん』

廉「大丈夫、慣れてるからな。それこそ、そっちは大丈夫やった？」

『うん、大丈夫』

廉「よかった、えっと…名前なんて言うん？」

『あ、楠A、です』

廉「ほぉ、Aちゃんね」

いきなり名前呼びなんて、ずるいよ。

永瀬くんに呼ばれる名前は、なんか特別感があって。

私ってこんなに永瀬くんのこと、好きだったんだ。

廉「なぁ、連絡先、交換せぇへん…？」

不安げに揺れる瞳は私を写していて。

『う、うん！』

まさか、こんな事になるなんて。