Behind Love. (ページ36)

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いよいよ次の日。

学校指定のコートを着て、通学カバンを持ってる振りをする。

『行ってきます』

母「はーい」

幸いお母さんは私を見て見送ることはなく、リビングから返事をするだけなので安易に騙せる。

外へ出ると刺すような寒さが全身につたわり、パンプス越しの爪先が凍ったように固くなる。

廉「寒い？」

家門からでて、道路へ出るとそこに廉が待っていた。

『廉、』

廉「心配になってさ、迎え来てもうた」

その笑顔は貼り付けなのか、寒いからなのか、嘘に見える。

『ありがとう』

そして私も嘘をつく。

塵も積もれば山となると言うが、この嘘にそれは有り得るのだろうか

その山を崩す時には、私は廉に殺されていそうだ。

廉「行こか」

だが、彼は悪魔でもイケメンなのだ。

私に手を差し出してくるその姿は、何かの雑誌にでも載っていそうな。

私はその手を取り、後ろを振り返りながら歩いた。

廉「何か気になるん？」

私が振り返ることを気にした廉は、同じ方向を見ようと私と後ろを交互に見ている。

『ううん、家族に悪いことしちゃったなって思ったの』

廉「……そ」

廉は家族の話をすると不機嫌になり、話さなくなる。

なんでなんだろう。

その秘密をいつか聞いてみたいと思う。