Behind Love. (ページ15)

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帰り道は覚えていないけれど、何とか家まで戻ってこれた。

家に入れば当然、

母「あら、遅かったのね」

『委員会だったの』

無理やりこじつけて、一方的に会話を切って自分の部屋に篭もる。

…あの永瀬廉と、しちゃったんだ。

謎の優越感と共に、さっきの部屋もフラッシュバックする。

あの部屋には、何があるのだろう。

あの廉の真っ黒な瞳と、何かしらの関係はあるはずなのだ。

なにをしようにも、その事ばかり考えていて。

母のご飯に呼ぶ声さえ、聞こえないほどだった。

翌日。

今日は土曜日で、何もすることがない。

テスト前でもないから特別な復習もせずに、ただゴロゴロ過ごす。

スマホで今日のニュースと天気を見て、散歩でも行こうかな、なんて平和な休日を過ごそうと試みたその瞬間。

家中に鳴り響く、インターホンの音。

そして

母「あら、もしかしてショウくん！？かっこよくなって〜！」

母の客に作る高めの声。

一緒に聞こえてきた"ショウ"という名前に、私は反応を示すことが出来なくて。

『誰……？』

ドタドタと私の部屋にノックもせず入ってきた"ショウ"という人間に、思わずそう言った。

紫「俺のこと覚えてない？Aの…」

母「はとこよ！A、覚えてない？平野紫耀くんよ！」

そう言えば、なんか聞き覚えのある名前だ。

そしてその、垢抜けたハイスペックな顔面。

その顔が、昔見た"ショウ"くんにピッタリと重なった。

窓の外の、廉の存在にも気づかずに、私は窓を開けっ放しで紫耀くんに抱きついた。