Behind Love. (ページ2)

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放課後。

毎日のように友達に誘われるけど、断る。

なんて言ったって今日は、水曜日。

私の中で、水曜日は本屋さんに行って恋愛小説を買うことを決めていた。

かと言って、私が買うのは決まってハード本。

文庫本とは違って、表紙が可愛くて厚紙でできている、そんな本。

ひとつ1000円以上して高いけど、1ヶ月のお小遣いは5000円なので、余裕はある方だと思う。

水曜日に1冊という、1週間に1回というペースにする事で、１ヶ月に4000円ほどの出費だから。

学校から歩いてすぐの本屋さんは、少し古びた昔からあるところ。

中を覗くと、参考書コーナーにはたくさんの学生が並んでいた。

ただでさえ蒸し暑い6月。

むさくるしい店内にいれば、もっと暑いだろうに。

参考書コーナーを通り過ぎて、奥の小説コーナーへ。

恋愛と分類されたコーナーには、昨日でた新作のものが目出しで置いてあった。

『わぁ、この作者さん、また出したんだ！』

すっと、手に取ろうとした時だった。

左から伸ばした手に重なる、少しやけた小麦色の手。

『え、？』

思わずその手の先に目をやると。

廉「……あ、」

まずそうな顔をする、永瀬くんがいた。