Love Triangle. (ページ8)

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1週間後。

今日は待ちに待った花火大会だ。

親に着付けをしてもらった浴衣は、白地に紺色の花と、至って普通なものだが、私はとても気に入っていた。

『行ってきます』

外に出れば、紫耀が既に待っていて。

紫耀も浴衣だった。

去年私と行く時は、ラフな私服だったのに。

廉が居るのといないのでは、やっぱり違うよね。

まるで私が、紫耀に意識して欲しいから浴衣を着るように。

紫「行こっか」

私に手を差し伸べてくる紫耀。

私が不思議そうにその手を見ていると、

紫「女の子は浴衣、大変でしょ？転んだら大変だから」

『ありがとう、ごめん』

嫌な訳もなく、手を繋ぐ。

ちょこちょこと、下駄で歩く音だけが夕暮れの街に響く。

きっと紫耀は私と手を繋ぐことなんてなんとも思っていないんだろうな。

私はこんなにも、心臓がうるさいのに。

廉「お、A、紫耀」

紫「…お、おう」

紫耀が動揺するのも無理はない。

廉は片方の前髪を耳にかけていて、いつもとはまるで雰囲気が違っていたから。

もさっとしていて、目元が見にくい普段の髪に比べて

今日の廉は、少し耳にかけた髪の毛のおかげで、スッキリした印象になっていた。

好きな訳でもない私がこれほどかっこいいと思っているのなら、紫耀はきっともっとかっこいいと思っているだろう。

廉「Aのその浴衣ええやん、似合ってる」

『ありがとう』

隣で私の手を握る紫耀の手の力が、ぐっと籠った。

廉「紫耀の浴衣もええな、かっこええし」

その一言で紫耀の力は抜け、元通りの強さで私の手を握っていた。

紫「ありがとう！」

廉「…ところでおふたりさん、なんで手繋いでるん…？」

その瞬間、紫耀の手がパッと離れた。

紫「こ、これはAが浴衣大変そうだったからで、別に変な意味はない」

廉「ふっ、なんやそれ、必死すぎやろ笑」

本当に、ずるい人だ。

別にそんな必死に弁解しなくてもいいのに。

離された手は、行き場をなくしていた。