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お昼から放課後にかけての時間はあっという間で。
既に私たち3人は帰路についている。
廉「眠いわぁ」
紫「俺も」
『だね』
後から差す陽は、街の影に消えようとしている。
廉の家はもうすぐそこで、近づくほど紫耀の顔は寂しげになる。
廉「じゃあまた明日な」
『じゃあね』
紫「じゃあ、」
切なそうな紫耀の顔は、色んな意味で私の心を傷付ける。
そんな分かりやすい顔してたら、廉に気づかれちゃうのに。
きっとそんなことも考えないくらい好きなんだろうな。
ずるいな。
私も同じくらい、紫耀のことが好きなのに。
廉と別れ、紫耀と2人で帰り道を歩く。
紫「…なぁ」
『ん…?』
紫「今日、休み時間の時…廉とお前で2人の世界みたいだった…」
『あー…なんか、ごめん』
紫「俺も入れてくれればよかったのに…」
ただでさえ叶うはずのない紫耀の恋。
少しでも嫉妬すれば、すぐこの調子だ。
まぁしょうがないだろう。
振り向いて貰えない上に、他の人と2人の世界に入っているなんて、私だってきっと耐えられない。
『入れれる隙がなくて…私そういうの、不器用なとこあるし…』
紫「…今度からは、気をつけてね」
強く怒らないところは、紫耀なりの優しさだったりする。
そういう所が、私を期待させてるって紫耀は分かってないけれど。
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作者名:ぷち。 | 作成日時:2020年5月8日 1時