Love Triangle. (ページ48)

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逃げて、逃げて。

気づけば来たことのない公園へ来ていた。

誰もいない、少し寂れた公園。

風に揺れて音を立てるブランコに、ゆっくり腰をかけた。

…このドキドキは、走ったせい、だよね。

うん、絶対そう。

紫耀のことを、思い浮かべる。

……あれ？

少し音を立てただけで、私の胸は落ち着いていた。

……自覚しちゃ、ダメなんだ。

言い聞かせ、洗脳する。

すると。

廉「……見つけた…」

奇跡的に、通り過ぎてくれないだろうか。

見間違いだって、どこか行ってよ。

じゃないと、本当にもう………

廉「……A」

……呼ばないで。

今までの洗脳が意味ないじゃん。

そんないとも簡単に、紫耀を思ってきた数年を壊さないで。

進んじゃダメなんだよ。

まだ…早すぎるよ。

廉「……進んでええんやで」

だめだよ。

廉「…A、紫耀のために進んじゃダメとか思っとんのやろ」

図星だった。

進みたくないのは、きっと自分のためじゃない。

紫耀のために、進んじゃダメなんだ。

廉「もし、紫耀や他のやつに責められても、絶対俺が守ったる」

ばか。

……紫耀に責められないことくらい分かるよ。

だけど…

『いい、のかな、だって…昨日の今日だよ…？』

図々しいにも、程があるんじゃないかって思う。

告白したばっかなのに、次の日には違う彼氏がいるなんて。

ましてや、紫耀の好きな人と。

廉「大丈夫、てか俺のこと好きなら、1日だって無駄にすんな」

ずるい、そんなの。

廉はそんなキザなこと言うキャラじゃないじゃん。

…涙が止まらない。

私、進んでいいのかな。

紫耀も、新しい恋を見つけられるといいな。

紫耀、ごめん。

そしてありがとう。

紫耀のおかげで、恋の苦しみも、痛みも分かれたよ。

廉となら、乗り越えていけるのかな。

その希望を胸に、私は廉を、抱き締めた。