Love Triangle. (ページ47)

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例え届かなくても、もう一度言いたかったんや。

手を掴むなんて、本当は恥ずかしいなんてもんじゃなくて。

馬鹿みたいに心臓はうるさい。

でも、掴みたい。

俺の中で遠く見えない所まで行っている君に追いつきたいんや。

でも君は、また離れていく。

器用に俺の手を振り払って、今来た道を戻っていく。

……諦めんの？俺。

……ううん、諦めへん。

学校なんてどうでもいい。

角を曲がって君が見えなくなった頃、俺はカバンをも捨てて走り出した。

廉「どこやねんっ……」

宛もなく走り回って、体力はヘトヘト。

息の吸いすぎで壊れそうなくらい。

公園、家、路地裏まで…

色んなところを探し回った。

そして。

廉「……見つけた…」

家からひとつ遠い公園まで来たところで、ブランコに座って地面を蹴る君。

俯いていて俺の存在には気づいてない。

廉「……A」

『っ……！』

俺の声に顔を上げた君は、

泣いていたんだ。

『いやっ…なんで…』

廉「見つけたるよ」

『…え？』

廉「どこにAがいても、絶対見つける」

『っ…』

廉「…なんで逃げたん？」

『…怖い、の……』

思ってもみなかった、Aの言葉。

廉「何が？」

『…私…ずるいの、最低なの…』

廉「…？」

『紫耀のことが好きで…昨日振られて…なのにもう…廉を、意識しちゃってる』

どんだけ、惚れさせんの？

廉「…そんなの、関係ないやろ」

『ぇ…？』

か細い声を発し、俺を見つめるその瞳も。

廉「……進んでええんやで」

『っ…』

廉「…A、紫耀のために進んじゃダメとか思っとんのやろ」

『……』

図星らしい。

廉「もし、紫耀や他のやつに責められても、絶対俺が守ったる」

綺麗な涙を拭う、その手も。

『いい、のかな、だって…昨日の今日だよ…？』

廉「大丈夫、てか俺のこと好きなら、1日だって無駄にすんな」

『っ……』

恥ずかしそうに赤らめる、その頬も。

そして強く、だけど優しく俺の首へ手を回す、その腕も。

全部、全部。

大好きや。