Love Triangle. (ページ45)

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廉に、手を掴まれた。

刹那、そこに血液が集中するように熱くなる。

『な、何…？』

目を、見れない。

廉「……ごめん、この前」

その言葉に、数日前のあの場面を思い出す。

廉「俺…あんな言い方したまんま避けてた、Aのこと」

『…いいよ、避けてたのなんて私も、だし』

廉「…俺、Aがどうしても好き」

『っ……』

やめて、熱いよ。

日差しでも、空気でもない。

廉の触れている手の形に、熱いよ。

廉「紫耀のこと好きでも、誰を好きでも、俺はAが好き」

『…っ…！』

だめだよ。

私はまだ、失恋から踏み出しちゃいけないんだよ。

そんなの紫耀が知ったら、軽蔑されるどころか、絶交だって…。

認めたくない、認めちゃいけない。

そんなの、紫耀にも廉にも、失礼だ。

暑い日差しの中で、考えが進まない。

『…廉、ごめん！』

その細い腕には、なかなかの筋肉があったみたいだけど、思いっきり振り払う。

廉「っ…」

廉の傷ついた顔は見たくない。

そのまま学校とは反対方向に、駆け出した。

後ろからは、廉が追ってくる様子はなかった。