Love Triangle. (ページ41)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:48,706 hit

40._ R side_ ページ41

目が覚めたって、俺の気持ちは変わらないまま。

あの二人が両想いで、もう付き合う寸前だってわかってる。

邪魔なのは俺だって、分かっとんねん。

でも俺だって、Aのことが誰よりも好きだから。

いくらずっと一緒にいた紫耀でも、Aを譲る気は無いから。

無駄な抵抗なのは俺が1番わかってる。

でも、まだ分からんやろ？

二人が両想いかなんて、事実を知るまで分からない。

気づけば外には眩い星が輝いていた。

俺は夏の夜のこの風の香りがすごく好きで。

暇さえあれば夜風にあたっていた。

左を見れば、Aと紫耀の家。

……視力はいい方だって言われる。

聴力だって、人並みにはあって。

俺の目に映ったのは、窓から見つめ合う2人の姿。

そして。

『大好きだったよっ…！』

そう告げる、Aの清々しい声。

…大好き、"だった"…？

告白している、？

いつものこの3人の中で俺だけ置いていかれてる。

紫耀が好きなのは、薄々勘づいていた通り、Aじゃなかった…？

Aだったら、過去形を使う意味は無い。

…それに、あんな清々しい声で大好きだったなんて、言えるやろうか。

細かいAの表情までは見きれなくて、もやもやが残った。

知らんうちに、2人は先を進んでいた。

あんな堂々と過去形で言いきれるAに、何も言わず笑っている紫耀。

俺だけ置いていかれてた。

でも確かに、二人の関係は変わっていた。