Love Triangle. (ページ25)

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夏休みの終わりは毎年同様、嫌でもやってきて。

今日から２学期が始まろうとしている、朝日の眩しい今朝。

でも、私たちの関係にはあれからすっかり厚い雲がかかっていて。

『……お、おはよ』

廉「……ん」

紫「……よ」

廉に関しては最大限話したくない感満載だし。

紫耀は何が言いたくて"よ"になったか分からないし。

3人で歩く道も、地獄のように静かで、夏休み前からすっかり変わってしまっていた。

あんなに騒がしかった私たちを怪訝そうに見ていた近所のおばさんも、静かな私たちを見て目を丸くしている。

校門をくぐっても、いつもの様に暴言を浴びることはなかった。

何も話さない私たちを、不思議そうに見つめる登校する生徒たち。

紫耀とクラスは別れるけれど、廉とは嫌でも同じクラスだ。

『……お手洗い、行くね』

2人きりの空気を教室まで持っていきたくなくて、廊下にあるトイレに逸れた。

女子トイレに入ればこちらのもの。

個室に篭って、朝から溜まっていたため息を思いっきり吐き出す。

辛すぎた。

紫耀は失恋に心を痛めていて。

そんな紫耀を、私が心配そうに見つめて。

そして、登校中感じた隣からの視線。

廉はきっと、紫耀を見つめる私に苦しくなっていたのだろう。

漫画の主人公みたいに、そういう所は鈍感じゃないと思う。

肝心な、廉の好きな人は分からなかったけど。

左から感じた廉の視線には、痛痛さがとても含まれていて、気付かないふりをするのに精一杯だった。

紫耀は廉が好きで。

廉は、おそらく私のことが好きで。

そんな私は、紫耀のことが好き。

見事な三角関係すぎて、またひとつ大きな溜め息を吐いた。